2023 Fiscal Year Research-status Report
Importance of genetic introgression for bird speciation and range expansion
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22K06379
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
西海 功 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 研究主幹 (90290866)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 遺伝子移入 / 遺伝子交換 / 進化 / 種の多様化 / DNAバーコード / 日本列島 / 逆移入 / 適応的遺伝子浸透 |
Outline of Annual Research Achievements |
鳥類における遺伝子浸透をテーマにしているが、2年目にあたる2023年度は調査許可の関係からブータンの代わりにミャンマーにおけるサンプル採集を初年度に続き重点的におこなった。日本の鳥の遺伝子浸透に関連する重要種であるキバラアカゲラDendrocopos darjellensisとミナミトラツグミZoothera daumaのサンプリングはできなかったが、6月と2月の2回のミャンマー調査で計97種135個体のミャンマー産鳥類のDNAサンプリングと計測、写真撮影および一部の個体の標本作製をおこなった。それらのDNAサンプルについてDNAバーコード領域の配列を読んだ。引き続いてBOLD Systemsへの登録をおこない、ミャンマーの鳥類のDNAバーコードによる種同定の有効性を検証する。 登録済みの61種のうちシリアカヒヨドリPycnonotus caferやビルマヤブチメドリArgya gularisなど4種はハプロタイプの大きな変異・分岐が種内にあることがわかり、またそのうちシリアカヒヨドリはコシジロヒヨドリPycnonotus aurigasterからの、キンパラLonchura atricapillaはギンパラLonchura malaccaからの遺伝子浸透が示唆された。 ブータンの調査許可とも関連してブータン王立自然保護協会(RSPN)とMoAを8月に締結し、絶滅危惧種のシロハラサギについてマイクロサテライトDNA多型分析を進めた。 B10Kによる日本固有種などについてのゲノム解析は現在進行中でデータの提供依頼はおこなった。マーシャル大学(米国)と台湾の環境省との共同研究でサンコウチョウの系統を分析し学会発表準備をすると共に、メジロの系統分類については論文発表した。また三宅島アカコッコ館で固有種アカコッコの分類と系統進化について関連する講演をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ブータンでの調査許可が遅れていることからミャンマーでの調査を優先したが、ブータンともMoAを結ぶことができて今年度から調査できるようになった。日本の鳥の遺伝子浸透に関連する大陸産重要種のサンプリングが予定通りに進んでいないが、海外研究者とのサンプルのシェアや特にミャンマーの鳥のDNAサンプリングとバーコード登録が予定以上に進み、さらにメジロやサンコウチョウなど一部の鳥種では研究成果が出始めており、全体としては順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はブータンでの現地調査をおこなう。またB10Kからのゲノムデータを受け取り、解析をおこなって、遺伝子浸透について評価をおこなう。さらに、既存の計289の核遺伝子座のプライマーを用いて、カケスGarrulus grandariusとその近縁種の解析等をおこなう。オオアカゲラとミナミトラツグミの大陸サンプルは採取できなかった場合については剥製からのDNA抽出をおこなう。これらの結果から、鳥類の遺伝子浸透が分布拡大や種分化に影響を与えたかどうかの評価をおこなう。
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Causes of Carryover |
2024年度にブータンに調査に行き、サンプルを採取する予定で、サンプルが増加する分のDNA分析の謝金と消耗品費が多く必要になるため。
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Research Products
(15 results)