2022 Fiscal Year Research-status Report
堆積物中の貝殻に基づく干潟貝類の捕食-被食関係の解明と将来予測
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22K06412
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Research Institution | Natural History Museum and Institute, Chiba |
Principal Investigator |
千葉 友樹 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員(移行) (40847935)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 古生態学 / 貝類 / 捕食痕 / 堆積物コア / 捕食-被食関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、堆積物コアに含まれる貝殻を用いて、干潟貝類の捕食-被食関係の時空間変化を現在から過去数百年~数千年に渡って解き明かすことを目指す。サキグロタマツメタ(以下、サキグロ)は、中国や北朝鮮から輸入されたアサリに混入して日本の東海~東北地方の干潟に移入したタマガイ科の外来肉食性巻貝で、エサとなるアサリの貝殻に特徴的な捕食痕を残して中身だけを食べる。そこで、本種が移入した東海~東北地方の6地点の干潟において、堆積物コアを採取し、捕食痕の見られるアサリの貝殻の割合と年代測定に基づいて、アサリの食害の時空間変化を解明する。 本年度の室内作業として、松島湾の干潟で採取済の堆積物コアからアサリの貝殻を拾い出した。表層から60cmまではアサリの貝殻に捕食痕が見られたが、より深層では見られなかった。この結果は、堆積物コアからサキグロ移入前後の貝殻が得られたことを示す。採取した堆積物コア5本のうち、2本からアサリの貝殻を拾い出すことができた。残り3本についても、貝殻の拾い出しを進めている。今後は5本分の堆積物コアのデータを統合して、統計的に意味のある議論ができるようにする必要がある。また、貝殻の年代測定を行う必要がある。 本年度の野外調査として、岩手県山田町織笠川河口干潟で表層(20cm以浅)堆積物を採取し、堆積物コア採取地点を検討した。砂質な地点にサキグロが見られ、アサリの貝殻にも捕食痕が多く見られることが分かった。次年度に堆積物コアを採取する地点を決めることができた。 一方で、静岡県浜名湖でも表層堆積物を採取したが、サキグロは干潟には見られず、堆積物コアの採取に適した地点が見い出せなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度に予定していた調査計画のうち、福島県松川浦と千葉県小櫃川河口干潟での表層堆積物の採取を実施できなかったため。現在、調査の準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の調査にて、織笠川河口干潟の堆積物コア採取地点が決まったので、次年度は堆積物コアを採取して、分析を進める。一方で、静岡県浜名湖では堆積物コア採取に適した地点が見出せなかったため、代替の調査地点を検討している。
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Causes of Carryover |
本年度は予定していた野外調査(2回分)が実施できなかったため、次年度使用額が生じた。次年度に野外調査の旅費として使用する計画がある。
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