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2023 Fiscal Year Research-status Report

甲状腺の有するエネルギー調整機能の動脈硬化指標への影響の解明

Research Project

Project/Area Number 22K06421
Research InstitutionNagasaki University

Principal Investigator

清水 悠路  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員准教授 (40569068)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 川尻 真也  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (20457576)
延末 謙一  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 研究協力員 (20823272)
前田 隆浩  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (40284674)
山梨 啓友  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (60709864)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsミトコンドリア機能低下 / 血糖スパイク / 早食い / 動脈硬化 / 身長低下
Outline of Annual Research Achievements

2022年度の解析において認めたミトコンドリア機能が低下するとその血清濃度が上昇してくるGDF-15と頸動脈中内膜肥厚(CIMT)で定義した動脈硬化の間の有意な正の相関に関しては、論文にての発表を行った。
さらに2023年度の解析では、早食いは糖代謝に影響を及ぼし血糖スパイクをもたらすこと、血糖スパイクは血清GDF-15濃度を上昇させると報告されていることから、早食いの健康への影響に着目。成人における身長低下は全死亡及び心臓血管病リスク因子であるとの報告があるが、これに関連し、職域健診受診者を対象に実施した検討において、太っていない(body mass index [BMI]が25kg/m2未満)者において、人と比べて食べる速度が速いと答えた者は、そうでない者に比較し有意に身長低下のオッズをあげることが判明したため、論文報告した(PLoS One 2023;18(4):e0284998)。
また60歳以上の高齢者を対象にした解析において、動脈硬化(CIMTが1.1mm以上)も有意に身長低下のオッズを上げた。従って、動脈硬化形成が心臓血管病リスク因子としての身長低下の背景に存在すると考えられた。しかしながら、早食いと動脈硬化との関係に関しては不明であった。
そこで早食いで誘発される血糖スパイクは、血管内皮を障害するとともに血清GDF-15濃度をあげることに着目し解析を実施。血清GDF-15 が高値(中央値以上)の者においてのみ早食いは動脈硬化と有意な正の関係を認めた。 本研究結果は、ミトコンドリア機能低下が、早食いと動脈硬化との関係における決定因子となり得ることを意味し、本研究目的であるエネルギー調整機能の動脈硬化指標への影響の解明の一端を担う内容であると思われる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

既に研究実施に必要なデータセットは組まれており、このデータセットを用いて解析も進んでいる状態である。この解析の結果の一部は既に、論文報告もされている。またさらには、心臓血管病リスク予測因子としてなり得ると報告されている身長低下が早食いの影響を受けることに着目したことで、血清GDF-15高値が示唆するミトコンドリア機能低下が、早食いと動脈硬化の関係の決定因子として働く可能性が示唆され、新たな血清GDF-15値の健康指標としての役割を見出すことができた。この結果においても現在、専門誌での発表のために投稿中の状態である。

Strategy for Future Research Activity

今までの本研究における定期健診受診者を対象に行った解析において、ミトコンドリア機能を示唆し得る血清GDF-15値が、生活習慣である早食いと動脈硬化指標との関係に影響を及ぼし得ることが判明した。この結果は動脈硬化形成にエネルギー代謝が決定因子として働くことを示唆しており、血管リモデリングに未知の新たなメカニズムが存在していることを意味する。
しかしながら、まだ多くの生活習慣データと動脈硬化指標との関係における血清GDF-15値の影響は解析できていない。特にエネルギー代謝に関係する生活習慣は強力にミトコンドリア機能の影響を受けることが想定される。
従って今後は現行の論文を進めて行くことに加え、エネルギー調整機能の動脈硬化指標への影響をさらに解明する目的で、まだ検討が充分にできていない生活習慣への血清GDF-15値の影響を解明していくことを目指す。

Causes of Carryover

本研究にて得た結果を論文(オープンジャーナル)にて発表を予定しており、そのための英文校正費及び掲載費を計上していた。しかし既に論文投稿は行っているものの、査読結果が通達される次期が予想以上に遅くなった。そのため、査読に対応に必要な英文校正費及び論文掲載費の支払い時期が2023年度中には発生しなくなった。この査読に必要な英文校正費及び論文掲載費の支払いは2024年度に行う予定。

  • Research Products

    (8 results)

All 2024 2023

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results,  Open Access: 4 results) Presentation (4 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Association between atherosclerosis and height loss among older individuals2024

    • Author(s)
      Shimizu Yuji、Arima Kazuhiko、Yamanashi Hirotomo、Kawashiri Shin-Ya、Noguchi Yuko、Honda Yukiko、Nakamichi Seiko、Nagata Yasuhiro、Maeda Takahiro
    • Journal Title

      Scientific Reports

      Volume: 14 Pages: -

    • DOI

      10.1038/s41598-024-57620-y

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Association between anti-thyroid peroxidase antibody and thyroid stimulating hormone: a cross-sectional study2023

    • Author(s)
      Shimizu Yuji、Matsuyama Mutsumi、Noguchi Yuko、Takada Midori、Kawashiri Shin-Ya、Fukui Shoichi、Nakamichi Seiko、Nagata Yasuhiro、Maeda Takahiro、Hayashida Naomi
    • Journal Title

      Scientific Reports

      Volume: 13 Pages: -

    • DOI

      10.1038/s41598-023-40275-6

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Serum Concentration of Growth Differentiation Factor 15 and Atherosclerosis among General Older Japanese Individuals with Normal Weight2023

    • Author(s)
      Shimizu Yuji、Hayashida Naomi、Yamanashi Hirotomo、Noguchi Yuko、Kawashiri Shin-Ya、Takada Midori、Arima Kazuhiko、Nakamichi Seiko、Nagata Yasuhiro、Maeda Takahiro
    • Journal Title

      Biomedicines

      Volume: 11 Pages: 1572~1572

    • DOI

      10.3390/biomedicines11061572

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Progression of Carotid Intima-Media Thickness Partly Indicates the Prevention of Hypertension among Older Individuals in the General Population2023

    • Author(s)
      Shimizu Yuji
    • Journal Title

      Life

      Volume: 13 Pages: 1588~1588

    • DOI

      10.3390/life13071588

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 成人男性における高血圧発症予測因子としての身長の検討2024

    • Author(s)
      清水悠路、佐々木なぎさ、本田瑛子、高田碧、吉田知克、岡田武夫、本村和嗣
    • Organizer
      第94回日本衛生学会学術総会
  • [Presentation] 非糖尿病者におけるHbA1cと身長低下の関係2023

    • Author(s)
      清水悠路、佐々木なぎさ、本田瑛子、高田碧、吉田知克
    • Organizer
      第82回日本公衆衛生学会
  • [Presentation] 動脈硬化指標の評価方法に関して2023

    • Author(s)
      清水悠路
    • Organizer
      関西産研第65回研究会
    • Invited
  • [Presentation] 高齢者における動脈硬化と身長低下の関係2023

    • Author(s)
      清水悠路、有馬和彦、野口優子、宮田潤、山梨啓友、川尻慎也、前田隆浩
    • Organizer
      第84回日本生理人類学会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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