2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K06432
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
高橋 弘雄 香川大学, 医学部, 講師 (20390685)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / 神経保護メカニズム / Npas4 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳梗塞は、本邦で死因の上位を占める発生頻度の高い疾患である。脳梗塞に伴う細胞死を防ぐことが、治療の重要なポイントとなっている。脳梗塞について、発症後の脳内の変化を研究することは、効果的な治療法の開発のために、極めて重要なポイントである。これまでに本研究代表者らは、脳梗塞の発症に伴い、内在性の神経保護メカニズムが活性化して、神経細胞死を抑えることを明らかとしている。このような神経保護メカニズムがどのように活性化するのか?という点を明かとして、人為的に調節することが可能となれば、新たな脳梗塞の治療法に繋がると期待される。そこで本研究は、脳梗塞による神経回路の破綻を防ぐ内在性の分子メカニズムの制御機構を解析する。 これまでに本研究代表者らは、健常な脳において、神経活動依存的に神経細胞の発達を促進する分子メカニズムの研究を行った。興味深いことに、健常な脳で、神経細胞の発達を促進する転写因子Npas4は、脳梗塞後の大脳皮質では、梗塞巣の拡大を防ぎ、予後の運動機能を保つ役割を果たすことを報告している。さらに昨年度の研究から、大脳皮質におけるNpas4の発現が、昼間と夜間とで変動することを見出した。そこで本年度は、脳梗塞に伴う細胞死が概日リズムによる影響を受けるのか?という点について解析を行った。脳梗塞モデルマウスを用いた解析から、昼間に脳梗塞を発症した場合と比較して、夜間に脳梗塞が起こった場合には、神経細胞死が有意に減少することが明らかとなった。この結果は、脳梗塞に対する内在性の神経保護メカニズムの働きが、概日リズムによる調節を受ける可能性を示唆している。そこで今後は、この概日リズム依存的な神経保護メカニズムに着目し、Npas4の役割を明らかとする。Npas4欠損マウスを用いて、初代培養ニューロンや、脳梗塞モデルマウスを用いて、さらに詳細に検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の脳梗塞モデルマウスを用いた解析から、昼間に脳梗塞を発症した場合と比較して、夜間に脳梗塞が起こった場合には、神経細胞死が有意に減少することが明らかとなった。この結果は、脳梗塞に対する内在性の神経保護メカニズムの働きが、概日リズムによる調節を受ける可能性を示唆しており、脳梗塞から脳を守る分子メカニズムの制御機構を明らかとする上で、大きな成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、概日リズムによる神経保護メカニズムの調節に着目し、Npas4の役割を解析していく。Npas4欠損マウスを用いて、初代培養ニューロンや、脳梗塞モデルマウスを用いて、さらに詳細に検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
マウスを用いた実験が順調に進行したため、消耗品等の使用額が当初の予定より減少し、次年度使用額が生じた。生じた次年度使用額に関しては、本年度に主に物品費として使用予定である。
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Research Products
(1 results)