2022 Fiscal Year Research-status Report
Precise control of multi-step organic reactions and development of functional molecules
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22K06500
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松尾 淳一 金沢大学, 薬学系, 教授 (50328580)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 多成分連結反応 / カスケード反応 / 全合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
対称なα、βジケトン構造を有する1,2,7,8-テトラオンの分子内環化反応を各種ブレンステッド塩基、ブレンステッド酸およびプロリン由来の有機触媒を用いて検討した。その結果、分子内アルドールおよび分子内アセタール化が連続して進行した複雑な環化成績体が直接得られることが分かり、その環化反応に関する位置及び立体選択性を明らかにした。また、プロリンを有機触媒として用いると、光学純度76%eeにて環化体が得られることを明らかにした。さらにここで得られた1,2,7,8-テトラオンの脱対称化アルドールアセタール環化に関する知見を活用して、nesteretal Aの全合成を短工程にて達成した。 o-ニトロスチレン、2-ニトロプロパンやマロン酸エステル等の炭素求核剤、アルデヒドとの3成分連結反応を触媒量の有機塩基(DBU等)で行えることを明らかにした。本反応によって、多様な2-アリール-3-アルキルインドール類が3成分連結反応によって合成できることを示し、多成分連結反応によるインドール類の合成法を確立した。 4成分からなる多成分連結反応を、前求核種(マロン酸エステル、ニトロアルカン等)、ニトロアルケン、アクリル酸エステル、アルデヒドの4成分を用いて触媒量の塩基を用いることによって達成した。すべて炭素―炭素結合を形成させながら鎖状構造を有する多成分連結反応を実現している点は新しい点である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では、大きく3つの研究内容を提案していた。その3つのうち、2つの内容である4成分連結反応の開発、およびα-ジケトン構造を有するテトラオンの環化反応によるnesteretal Aの全合成研究を達成した。したがって、概ね順調に研究は進捗していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題でこのされた研究内容である複反応点Ugi反応による大環状ポリアミドおよびカゴ状ポリアミドの合成とその機能評価に関して、大環状ポリアミドの合成に関してはその環員数による合成効率と置換基による環全体の構造、特に分子不斉に関して深く研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の中、学会参加が満足にできなかった点は次年度に学会参加を積極的に行い、研究成果の発信に繋げる予定である。
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Research Products
(6 results)