2022 Fiscal Year Research-status Report
4価硫黄原子利用法の開拓:新規アルキルスルホニウム塩の合成と反応について
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22K06512
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
樋口 和宏 明治薬科大学, 薬学部, 准教授 (60360195)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | スルホニウム塩 / オキシアリルカチオン / 極性転換反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、スルホキシドを基質として従来とは相補的な方法で新規アルキルスルホニウム塩を合成し、その反応性を調査することである。従来のアルキルスルホニウム塩の合成法は、スルフィドをアルキル化するものが主流であり、生成したスルホニウム塩の実用性については、梅本試薬に代表される求核的トリフルオロメチル化剤やLiebeskindらによるクロスカップリング反応等で証明されてきた。我々はスルホキシドと酸無水物から形成される活性スルホニウム塩の硫黄原子上へ種々の官能基を求核的に導入できれば、アルキルスルホニウム塩の合成範囲を拡張でき、これに伴いスルホニウム塩の新たな反応性への展開が期待できると考えた。さらに基質となるスルホキシドについては、硫黄原子が不斉中心になることからキラルアルキルスルホニウム塩の開発や、スルホキシドの水和する性質を利用して水中で機能するスルホニウム塩の創製を視野に入れて、令和4年度は以下の研究成果を得た。 ジ-p-トルイルスルホキシドを基質として、アリルスルホニウム塩とα-ケトシクロアルキルスルホニウム塩をそれぞれ固体として単離することに成功した。さらに合成したアリルスルホニウム塩を用いて活性メチレン化合物のアルキル化反応を試みたところ、アリル体やシクロプロピル体が得られた。シクロプロピル体については、立体選択性について検討を行った。 また、α-ケトシクロアルキルスルホニウム塩に対して塩基を作用させたところ、オキシアリルカチオン中間体が発生することが判明し、様々な求核剤を用いてスルホニウム塩との置換反応を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スルホニウム塩の合成と単離はおおむね順調に進行している。一部のスルホニウム塩には安定な結晶として単離できないものもあるため、イオン交換樹脂等を用いてカウンターイオンの交換を行い結晶化を試みる。 合成したアリルスルホニウム塩と活性メチレン化合物の反応性について反応条件を精査したところ、試薬を入れる順番とスルホニウム塩の当量に制約があることが分かった。さらなる反応条件の最適化を進めるとともに、種々の活性メチレン化合物についてアリル化反応を適用したい。
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Strategy for Future Research Activity |
上記で合成したスルホニウム塩以外にも適応範囲を拡大する。 さらにスルホニウム塩の反応性については電解反応や光化学反応を使って、スルホニウム塩独自の反応性を開拓する。また、反応溶媒として水を用いた反応についても検討したい。
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Causes of Carryover |
R4年度の予算執行率は98.7%であり、おおむね目標どおり予算を執行した。未執行の予算は次年度予算と合わせて消耗品予算に充て、執行率が100%となることを目標とする。
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Research Products
(4 results)