2022 Fiscal Year Research-status Report
モノテルペノイドインドールアルカロイドの網羅的合成による新規創薬シード分子の探索
Project/Area Number |
22K06534
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
小暮 紀行 国際医療福祉大学, 薬学部, 講師 (80396689)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | アルカロイド / 有機分子触媒 / マイケル付加 / エナミン / 効率的不斉全合成 / ピペリジン / アゼパン |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに有機分子触媒を用いたエナミン(3-ethyl-2,3-dehydropiperidine)のアクロレインへの不斉マイケル反応により、4級不斉中心をもつ3,3-二置換ピぺリジン骨格を立体選択的に構築する反応を開発した。本研究では、6員環エナミンではなく5員環または7員環エナミンを用いることにより、4級不斉中心をもつピロリジン骨格やアゼパン骨格を有するアルカロイド群を合成可能とすることを目的としている。 市販の2-ピロリジノンまたはカプロラクタムを出発物質として用い、それぞれα位のアルキル化、窒素原子の保護、アミドカルボニルの還元および脱水反応をおこなうことにより5員環または7員環エナミンの合成を完了した。現在、6員環エナミンを用いた反応条件最適化を参考に、不斉収率向上のため反応条件の精査をおこなっている。具体的には、反応溶媒はジクロロメタンに固定し、酸の種類、触媒の種類、反応温度の精査を進めている。求電子剤としては、従来用いていたアクロレインが販売中止となったため、アクロレインジメチルアセタールを用いている。満足のいく不斉収率および化学収率で目的物が得られる反応条件を確立した後、4級不斉中心をもつ3,3-二置換ピロリジン骨格やアゼパン骨格をもつ天然物の全合成へ展開する予定である。また、引き続き3,3-二置換ピぺリジン骨格をもつモノテルペノイドインドールアルカロイドの効率的全合成も進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
5員環または7員環エナミンを合成し、アクロレインジメチルアセタールへの不斉マイケル反応を検討することができている。
|
Strategy for Future Research Activity |
5員環または7員環エナミンを用いた反応条件の最適化を達成した後、4級不斉中心をもつ3,3-二置換ピロリジン骨格やアゼパン骨格をもつアルカロイドの全合成に着手する。合成ターゲットとしては、a) 全合成が達成されていないもの、b) 立体化学や構造が確認されていないもの、c) 全合成が達成されているが効率的と言えないもの、などを選定する。現在進行中のピペリジン骨格をもつアルカロイドの全合成研究も並行して進めていく。
|
Causes of Carryover |
2021年4月より研究機関を異動したため、前採択課題の延長申請をおこなった。そのため、2022年度は前採択課題の予算が残っていたため、本研究課題の予算を使用することなく研究を進めることができた。2023年度以降は本研究課題の予算を使用し、研究環境の改善を含め、研究機器や消耗品等の購入に充てる予定である。
|