2022 Fiscal Year Research-status Report
膜透過ペプチド固定化高分子を用いたバイオ医薬の経粘膜投与型製剤の開発
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22K06569
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
佐久間 信至 摂南大学, 薬学部, 教授 (80388644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜川 真実 摂南大学, 薬学部, 助教 (50735511) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 膜透過ペプチド固定化高分子 / 膜透過ペプチド / バイオ医薬 / 経粘膜吸収促進 / 非侵襲的投与製剤 / 経口腔ルート |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、膜透過ペプチドのオリゴアルギニンを側鎖に固定化した新規高分子を創製し、同高分子を用いたバイオ医薬(ペプチド、タンパク質、抗体、遺伝子等)の経粘膜デリバリー技術の開発を目指している。生分解性のオリゴアルギニン固定化ヒアルロン酸及び非分解性のオリゴアルギニン固定化ビニルポリマーは、経鼻あるいは経肺ルートでバイオ医薬の吸収性を改善することが既に実証されている。本研究では、利便性の優れる投与ルートの口腔~消化器系に着目し、本技術の実用化の可能性を見極める。助成初年度(2022年度)、2019~2021年度助成の科研費で可能性を見出した経口腔ルートを優先的に検討し、口腔内粘膜における吸収促進効果に関して、用いるバイオ医薬の種類によるものの、既に確認されていたジグリシン-L-テトラアルギニン固定化ヒアルロン酸よりもD-オクタアルギニン固定化ビニルポリマーの方が強い可能性が示された。引き続いて、分子量の異なるデキストラン及び各種抗体断片を用いた動物実験を実施し、構成要素の糖、アミノ酸に関わらず、D-オクタアルギニン固定化ビニルポリマーの吸収促進効果が得られる上限の分子量は約100 kDaであることを明らかにした。さらに、次年度以降の課題である経口フィルム/ゼリー剤の設計を念頭に、高分子性の製剤添加物を混合したときのD-オクタアルギニン固定化ビニルポリマーの吸収促進効果を検討し、過剰量を混合することにより製剤の粘性が増加した場合、効果が弱まる傾向が見られることを明らかにした。製剤化に際しては、この問題を解決する必要であり、今後、低分子性の製剤添加物の利用等を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
膜透過ペプチド固定化高分子の化学構造と経口腔粘膜吸収促進効果との相関の検証は計画通りに進んでいる。さらに、次年度以降の課題である製剤化にも既に取り掛かっている。
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Strategy for Future Research Activity |
本科研費申請時の計画通りに研究は進んでおり、今後も当初計画に則って研究を推進する。
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Causes of Carryover |
科研費からはほぼ動物費のみを支出し、他の経費は他の予算から支出したため、計画時の約半額が次年度繰越となった。
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