2023 Fiscal Year Research-status Report
自然免疫の応答性を調節する抗菌ペプチド等に関する研究
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22K06607
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
川崎 清史 同志社女子大学, 薬学部, 教授 (60270641)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 自然免疫 / ペプチド / 応答性調節 / DNA |
Outline of Annual Research Achievements |
リポ多糖や非メチル化 CpG DNAなどの自然免疫受容体リガンドに対する細胞応答は、様々な因子の働きにより調節される。ワクチンのアジュバント等として、このリガンドを応用するには応答調節機構の理解が重要である。この観点から、「自然免疫受容体リガンドに対する免疫細胞の応答性はどのように調節されているか」を研究課題としている。これまでの我々の解析結果から一部の抗菌ペプチドにはこれらのリガンドに対する免疫細胞の応答を調節する作用があることが明らかにされている。そこで、「非メチル化CpG DNAに対する免疫細胞の応答性を調節するペプチドの性質とその作用機序を明らかにする」ことを目的に本研究を実施する。非メチル化CpG DNA刺激応答を調節する抗菌ペプチド、およびそれを改変したペプチドの特徴解析とその増強作用を有するペプチドの作用機序解析を行うことにより、抗菌ペプチドによるDNA刺激応答調節の詳細を明らかにし、感染症対応という現代社会の強い要望にも応える研究の基盤を構築する。以上が本研究課題の目標である。本年度は4年間の申請期間の2年目として、これまでに解析したαヘリックス型ペプチドを比較して増強作用のあるペプチドに共通した性質として、両親媒性の重要性に着目して、より精緻な解析を行い検討を進めた。その結果、両親媒性はDNA刺激応答の増強に関与すること、これまで関連する現象として考えられてきたDNA細胞内取り込み増強に両親媒性が関わるわけではなさそうなこと、が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
両親媒性の重要性を示す結果が得られており、一定の成果が上がっているから。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は細胞レベルで応答性の調節を検討しているが、動物レベルでどうなるかを検討したい。また、両親媒性が関与する細胞内標的についても解明したい。
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Causes of Carryover |
まだ出版には至っていないが論文の執筆とその内容を補完する実験に時間を費やしたため次年度使用額が生じた。本年度はその論文の出版や新たな視点での研究のスタートに経費を使用する。
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