2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K06629
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
長坂 明臣 神戸大学, 医学研究科, 特命講師 (10723877)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 血管炎 / 生活習慣病 / 長期細胞培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本や世界の死因順位別をみると、心疾患、脳卒中、糖尿病といった生活習慣病に起因した疾患が主要な死因を占める。これらの疾患では、血管内皮細胞の機能障害と免疫細胞の異常活性化による血管障害が共通して認められる。しかしながら、生活習慣病そのものが極めて緩徐な進行 ということもあり、血管障害の病態形成メカニズムは不明な点が多い。また、生活習慣の改善や降圧剤などの予防・対処療法が主流であること から、積極的に血管内皮細胞の機能障害を改善する治療薬の開発が強く望まれている。そこで、本研究では、生活習慣病に伴う血管内皮細胞障害モデルをin vitroで再構築し、血管内皮細胞障害の病態解明を行う。 本年は、長期細胞培養を可能とするための培養装置の開発を行った。メッシュサイズやメッシュの厚みを変化させて、様々な培養細胞の基板の試作を行い、長期細胞培養に最適な培養基板の条件検討を行った。結果、細胞によっては長期培養が困難な種類もあったが、細胞によっては継代の工程を行わずに、長期培養で培養可能となった。さらに、メッシュ培養細胞からの高品質なRNA抽出などの基礎的実験課題を解決しており、次年度以降行う予定であるRNAseqの準備も行うことができている。一方で、長期細胞培養で鍵となる灌流培養装置の作製は内蔵するメッシュ形状の検討に時間を要したため、最適化はできておらず、次年度も引き続き試作品の作製ならびに最適化を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞培養のメッシュ基板の作製は概ね完了したものの、細胞培養メッシュ基板の作成並びに最適化に時間を要して、灌流装置の作製に遅れが生じている。次年度までには完成を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
灌流培養装置の試作品作製とその評価を繰り返し行い、灌流培養装置の最適化を行う。その後、長期培養した細胞からRNAの抽出を行い、RNAseqを行い、網羅的探索へと繋げる。
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Causes of Carryover |
本年度作製する予定だった灌流培養装置が遅れたため、予算を使用しなかった。次年度に作製する予定であることから、翌年度分にて使用する。
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