2022 Fiscal Year Research-status Report
Roles of alpha7 nicotinic acetylcholine receptor in the differentiation of CD8+ T cells
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22K06638
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
藤井 健志 同志社女子大学, 薬学部, 教授 (80255380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間下 雅士 同志社女子大学, 薬学部, 助教 (30738886)
野村 篤生 同志社女子大学, 薬学部, 助手 (40911813)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アセチルコリン / 細胞障害性T細胞 / パーフォリン / グランザイムA / GTS-21 |
Outline of Annual Research Achievements |
C57BL6あるいはα7型ニコチン受容体(α7 nAChR)ノックアウトマウスより脾細胞を調製し、種々の血球細胞が混在する混合培養系および脾細胞よりナイーブCD8陽性T細胞のみを単離した単純培養系でキラーT細胞への分化メカニズムを検討した。混合培養系において、抗CD3/CD28抗体によるナイーブCD8陽性T細胞の活性化は、キラーT細胞への分化を促進させる。この促進作用に対して、α7 nAChRアゴニストであるGTS-21は抑制した。他方、単純培養系において、T細胞受容体を直接活性化することによるナイーブCD8陽性T細胞からキラーT細胞への分化促進作用に対して、GTS-21は促進的に作用した。これらのGTS-21の抑制的・促進的作用は、ナイーブCD4陽性T細胞の活性化によるヘルパーT細胞への分化に対する作用メカニズムと同様の方向性を示すものであった。一方、薬理学的な検討から、α7 nAChR拮抗薬MLAがGTS-21の抑制作用を部分的にしか拮抗できなかったことから、GTS-21の促進的あるいは抑止的な作用には、α7 nAChR以外の受容体の関与も考えられた。単純培養系を用いてキラーT細胞の細胞傷害性の指標となるパーフォリンおよびグランザイムAの発現を検討したところ、GTS-21はパーフォリンの分泌には影響しないが、グランザイムAの分泌は促進させることが明らかとなった。直接抗腫瘍活性(細胞傷害性活性)の測定については、できる限り簡便な手法を新たに考案中であるが、現状では十分な検討を行うには至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分化するキラーT細胞の細胞種の検討を開始したところであり、解析手段は整っているがターゲットとする細胞を絞り切れていないために検討が遅れている。 キラーT細胞機能を解析するために、新たな方法の構築を目指しているが抗腫瘍活性の測定方法の確立が若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
抗原提示細胞からのシグナル伝達によるメカニズムとナイーブCD8陽性T細胞の分化を区別して検討を可能にするために、OT-Iマウスの導入を今年度中に行うこととしている。類似の系統であるOT-IIマウスの導入・飼育・繁殖の実績があることからOT-1マウスの導入には問題点はない。 免疫チェックポイントに重要な役割を果たしているPD-1およびPD-L1分子発現調節が、T細胞機能のヘルパーT細胞分化に関与していることが明らかになりつつある。このために、キラーT細胞分化にもこれらの分子の関与が認められるか検討を加えたい。
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Causes of Carryover |
高額の試薬(ヒト血球細胞)購入時にキャンペーン価格等の値引きがあったために、予定よりも支出額が少なくなっている。
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Research Products
(2 results)