2022 Fiscal Year Research-status Report
小児・新生児における数理学的モデルを用いた抗菌薬個別化投与の新展開
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22K06699
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山田 孝明 九州大学, 大学病院, 薬剤師 (50725744)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 小児・新生児 / 抗菌薬 / ファーマコメトリクス / 治療薬物モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
小児・新生児における抗菌薬の母集団薬物動態(PK)モデルは国内外で報告されているが、それらを臨床で活用するための方法や手段は未だ構築されていない。また、生理学的薬物動態(PBPK)モデルは、新生児や小児に対する個別化投与設計に有用である可能性があるが、実臨床で活用されている事例はほとんどない。そこで本研究では、小児・新生児に対して頻用されている治療薬物モニタリング(TDM)の対象となっている抗菌薬に注目し、薬物動態数理学的モデルを用いた小児・新生児の新たな個別化投与法を確立することを目的とした。 2022年度は、文献レビューにより国内外で報告されているバンコマイシンならびにテイコプラニンの小児・新生児母集団PKモデルを抽出し、研究デザイン、解析対象の集団(年齢、疾患など)、例数、共変量(PKパラメータの影響因子)を評価した。さらに、抽出した母集団PKモデルが臨床活用可能なモデルであるかを検討するため、日常診療で得られた小児患者の血中濃度データを抽出し、解析用のデータセットを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各抗菌薬の文献レビューならびに解析用データセットの作成に時間を要したため、当初予定していた薬物動態解析用ソフトウェア(Edsim & MwPharm)への母集団PKモデルの組み込み、ならびに臨床データを用いた予測精度・有用性の検証までには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、薬物動態解析用ソフトウェア(Edsim & MwPharm)を用いた母集団PKモデルの有用性評価を継続するとともに、成長・発達過程を考慮した小児・新生児PBPKモデルの構築、ならびに臨床データを用いた妥当性の検証を行う。
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Causes of Carryover |
2022年度にPBPKモデルシミュレータ(Simcyp)の導入を予定していたが、当初の研究計画にやや遅れが生じたことから、本ソフトウェアの導入を見送ったため支出が減少し次年度使用額が生じた。 2023年度は、前年度の未使用額でSimcypを導入し、PBPKモデルを用いた検討を開始する予定である。
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