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2023 Fiscal Year Research-status Report

食後投与時の薬物吸収速度変動に及ぼす食事と胃内生理環境による影響の定量的解明

Research Project

Project/Area Number 22K06711
Research InstitutionSetsunan University

Principal Investigator

高木 敏英  摂南大学, 薬学部, 准教授 (80829375)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords消化管吸収 / 食事の影響 / 胃内容排出速度 / 製剤機能評価
Outline of Annual Research Achievements

経口投与された薬物に対する食事の影響について、これまでの吸収「量」の変動に関して多くの研究が進展してきた一方で、吸収「速度」を反映する最高血中濃度や最高血中濃度到達時間(Tmax)に対する影響と、その原因解明に関する研究はほとんど進展していない。本研究では、食後投与された薬物の消化管からの吸収「速度」の変動を決定する要因として胃の役割に着目した研究を進め、食事と胃内生理環境との関係を定量的に解明することを目的とする。
各製薬企業から公開されている医薬品インタビューフォームを調査し、絶食投与時と食後投与時のTmaxの変化が小さい製剤に共通する特徴を抽出するとともに、薬物の原薬形態、pKa、薬物含量、水への溶解度との関係を整理した。168種の製剤について調査し、うち102種の製剤について絶食および食後投与時のTmaxの情報が得られた。食後Tmax/絶食Tmaxが1.2以下のものは31製剤存在した。食事による吸収量の変動が大きいもの、および徐放性製剤を除外したところ、10種の製剤が抽出された。これらの製剤は、オルメサルタン錠を除き、薬物の特徴として①酸性塩、②pKaが7.4以上、③水への溶解度が高いという共通点が見いだされた。一般に、塩は水への溶解が速やかであることから、これらの製剤から食後胃内で速やかにイオン型として溶解した薬物が、胃内水路と呼ばれるメカニズムによって速やかに小腸へ到達することで、食後投与時でもTmaxの変化が小さくなるものと考えられた。
一方、例外であったオルメサルタン錠については、製剤としての機能を適切に評価することが必要と考えられた。そこで、胃から小腸への移行速度を評価するために構築した新規in vitro評価系に適用したところ、薬物は速やかに小腸へ移行するものと推察され、評価系の有用性を示すことができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

胃から小腸への移行速度を評価するための新規in vitro評価系構築が予定通り進展している。また、薬物吸収速度の変化が小さい製剤に共通する特徴を抽出するとともに、例外となった製剤についても、新規in vitro評価系を用いた評価により、薬物は速やかに小腸へ移行するものと推察された。

Strategy for Future Research Activity

新規in vitro評価系を用いた事例検証をさらに充実させ、信頼性の高いものへと改良を加えていく。また、モデリング&シミュレーションの技術を導入し、ヒトにおける薬物吸収速度の定量的な予測モデルの構築へと発展させる。

Causes of Carryover

申請時には研究初年度に大型3Dプリンターを導入する費用として計上していたが、交付予算の減額により機器導入から外部委託へと方針を変更した。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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