2023 Fiscal Year Research-status Report
非観血的に測定した組織血流速度を指標とする薬物動態変動予測に関する研究
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22K06716
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
緒方 賢次 九州保健福祉大学, 薬学部, 准教授 (90509580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高村 徳人 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (20369169)
徳永 仁 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (60369171)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 組織血流量 / 非観血的評価 / 非観血的評価 / 薬物血中濃度 / 薬物の腎クリアランス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は血流測定に使用するレーザー血流計の不具合のために測定プローブを用いた臓器の血流測定に支障が生じた。そのため、主に投与候補の薬物について、血中濃度の簡便かつ高感度の測定方法について検討した。 フルルビプロフェンにはS体およびR体の鏡像異性体が存在するが、治療薬としてはラセミ体として投与されることが多い。しかし、主作用であるシクロオキシゲナーゼの阻害作用はS体が示すことから、鏡像異性体を分離した血中濃度の測定が必要である。そこで、簡便に鏡像異性体を分離して定量するための測定系について検討した。その結果、血清5μLに4-ビフェニル酢酸を内部標準物質として添加し、メタノール抽出液をHPLCで定量したところ、簡便に分離測定できることを示した。測定条件として、移動相は0.1%ギ酸とアセトニトリル、カラムはCHIRALPAK IA(4.6×250 mm, 5μm)を用い、蛍光測定(励起波長248 nm、蛍光波長 311 nm)を行った。また、薬理効果に相関する遊離型濃度(タンパク非結合型濃度)の測定系についても同様に検討した。その結果、血清450μLをVivacon 500(分画分子量10000)を用いて限外ろ過し、調製したろ液を上記のHPLC測定法で定量したところ、0.3 ng/mLまで測定可能であった。 これまで、フルルビプロフェンの鏡像異性体の分離測定ではLC-MS/MSを用いた定量方法が報告されているが、抽出操作が煩雑であることや血清を測定するためにマトリックス効果が影響して高感度に測定できないことがあった。しかし、本研究によって、HPLCを用いてフルルビプロフェンの鏡像異性体を簡便かつ高感度に分離測定することが可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
レーザー血流計の不具合のために組織血流量を測定することができなかった。これに伴い、病態モデルラットを作成することができずに研究を進展することができなかった。以上のことから本研究の進捗状況は遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
SDラットに高アデニン低タンパク餌を与えて腎機能が段階的に低下したモデルを作成する。薬物を静脈注射し、薬物血中濃度の経時変化を調べ、薬物動態パラメータ(消失速度定数や腎クリアランスなど)を算出する。これによって腎機能、腎血流量、薬物動態パラメータの変化の関係を明らかにすることを計画している。
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Causes of Carryover |
薬物および血中濃度測定用試薬、さらに実験に使用する動物の購入費を次年度に移行する必要が生じた。
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