2022 Fiscal Year Research-status Report
非定型抗精神病薬による血糖値異常のメカニズム解明および予防法の開発
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22K06720
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
永田 将司 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 准教授 (40412829)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 血糖値 / オランザピン / AMPK |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、いまだ明らかとなっていない非定型抗精神病薬による血糖値異常のメカニズムの全容を明らかにするとともに、血糖値異常を抑える予防薬の探索をし、非定型抗精神病薬による血糖値異常の予防法を開発することを目的としている。 非定型抗精神病薬による血糖値異常のメカニズムおよび予防薬を明らかにするために、今年度は以下の検討を行った。 <オランザピン単回投与による視床下部および肝臓AMPK活性への影響> Wistar系雄性ラットにオランザピン 10 mg/kgを単回投与し、投与15分後に視床下部を採取し、それぞれのAMPK活性をウエスタンブロッティングにより測定した。その結果、視床下部のAMPKはオランザピン投与により活性化することを明らかにした。 <オランザピン長期投与後に血糖値を上昇させる条件の探索> オランザピン長期投与による血糖値上昇を予防する薬を探索するためには、まずオランザピン長期投与により血糖値が確実に上昇する条件を見つける必要がある。そのため、Wistar系雄性および雌性ラットにオランザピンを1日2回2週間経口(1回 2.5 mg/kg)投与したところ、雄性ラットでは血糖値上昇は認められなかった。一方雌性ラットでは血糖値は上昇したもののわずかであった。血糖値異常がわずかである条件で予防薬を探索することは困難である。そこで、現在は雌性ラットを用いて1回の投与量を増やし、大きく血糖値を上昇させる条件を検討中である。血糖値を大きく上昇させる条件が見つかり次第、予防薬候補の薬剤を併用する実験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度に血糖値上昇のメカニズムを解明することができたため、ほぼ予定通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
オランザピン長期投与後に血糖値を上昇させる条件を見つける。その後、視床下部AMPK活性に影響を及ぼす可能性のある漢方薬をオランザピンと併用し、予防薬を探索していく。
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Causes of Carryover |
ほぼ予定通りに使用しており、次年度使用額は誤差の範囲内と考える。
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