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2022 Fiscal Year Research-status Report

シタラビンによる斑状丘疹性皮疹におけるSTAT3関連因子の役割のさらなる解明

Research Project

Project/Area Number 22K06737
Research InstitutionHiroshima International University

Principal Investigator

大松 秀明  広島国際大学, 薬学部, 准教授 (80826941)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsシタラビン / 斑状丘疹性皮疹 / STAT3
Outline of Annual Research Achievements

抗悪性腫瘍剤の1つであるシタラビンは、急性骨髄性白血病治療の標準的薬剤であり、非常に高い治療効果を示す一方、強い副作用が問題となっており、その中に斑状丘疹性皮疹がある。斑状丘疹性皮疹は掻痒感や疼痛を伴い、軽快後にも瘢痕や皮膚の色素沈着を残すなど、患者に長期間の容姿変化を強いるもので、患者のQOLを著しく下げる。しかしながら、この発生機序等に関しては不明な点が多く、対処療法以外行えていないのが現状である。これまでに、申請者はシタラビンがヒト皮膚培養細胞であるHaCat細胞に対し、濃度依存的に細胞障害を引き起こすこと、またSTAT3タンパクの発現量に影響を及ぼすことを明らかにしており、STAT3が直接的あるいは間接的に班状丘疹性皮疹の発生機序に関与する可能性が示唆されている。そこでSTAT3の関連因子および、これまでに濃度依存的なmRNA発現量の変動が確認できたIL-6、IL-1β、TNF-α、およびβ-FGFなどの細胞障害、炎症シグナル、アポトーシスに関連した因子の上流および下流の因子のmRNA発現量への影響を検討し、その一部で影響を受けている傾向が見られた。しかしながら、過去にも実験条件の見直しにより、一部の因子でより低濃度でタンパク発現量の変動が見られたことから、シタラビンによる影響は、実臨床での濃度を基にした当初の設定より、より低濃度で見られる可能性が考えられ、実験条件の追加検討の必要性が考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初は実臨床での血中濃度や薬物血中濃度時間曲線下面積(AUC)を指標に本研究の実験条件を設定しており、過去検討したmRNA発現量の解析では、データの大きなばらつきもなく濃度依存的な変動が見られていたため、実験条件に問題ないと考えていた。しかし、過去にも実験条件の見直しにより、一部の因子でより低濃度でタンパク発現量の変動が見られたことなどを考慮して、手技の確認に加え、より広い範囲での濃度及び経時的な変化の影響についても追加検討する事を考慮している。そのため、タンパク発現量解析の対象の検討がまだ実施できていない。新型コロナ感染症流行の影響にて、申請者が一時的に研究を実施することが困難な状況となり、実験中断に伴う遅れが生じたことと、当初予定していた研究の実施体制の変化から、実験量が減少したことが影響している。これらの事から、当初の予定よりはやや遅れていると判断し、上記区分としている。

Strategy for Future Research Activity

これまでに得られたデータから、シタラビンによる影響は当初設定していた濃度より、さらに低濃度域でも細胞に影響を及ぼしている可能性が考えられたため、これらについてもmRNA発現量解析および、その結果からタンパク発現量解析を行う候補の検討及び解析を行う。さらに、情報収集により得られた新たな候補遺伝子についても同様の解析を行う。また、本年も研究体制の変化により、当初の想定よりも実験量が減少することが予測されるため、十分なエフォートが割けない場合には、プレキャスト製品やプレミックス製品の利用や、外部業者への委託等も検討する。

Causes of Carryover

(次年度使用額が生じた理由)
研究の実施体制の変化から、実験量が減少したこと、検討項目の追加により、当初購入予定としていた試薬をまだ購入していない事、共通利用が可能な実験器具を科研費以外で調達する機会があったことが影響している。これらは科研費申請時には予定していなかったため、消耗品の購入量が減少したことが余剰を発生させた要因の一つである。また、予定していた学会参加が業務の都合上WEB参加となったため、旅費を支出する必要がなくなったことも一部影響している。
(使用計画)
上述の理由により、実験量の減少を補えるよう効率的な実験を行うために、プレキャスト製品やプレミックス製品の購入や一部実験の外部委託を検討しているため、前年度より支払いが増額となることが見込まれる。また、追加検討を行った後に、前年度購入する予定で会った試薬を購入するため、前年度に算定していた支払いを本年度に執行することが想定される。以上より、当初の計画よりも執行額の増額が見込まれることから、未使用額が使用されない可能性は低い。

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Published: 2023-12-25  

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