2022 Fiscal Year Research-status Report
菌血症の原因菌の迅速感受性検査のための細菌由来RNAの高感度解析法の構築
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22K06739
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
八島 秀明 群馬大学, 大学院医学系研究科 臨床薬理学講座, 助教 (60773512)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 抗菌薬 / RNA / 効果判定 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、多剤耐性菌が原因となる感染症が増加しており、治療ガイドラインなどで推奨されている標準的な治療を行っても臨床効果が得られない症例が増加してきている。特に多剤耐性緑膿菌、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌による感染症は近年増加傾向にあり、早期に検出ができれば治療成績の向上が見込める。現在、臨床現場で用いられている病原菌の抗菌薬への感受性検査は細菌培養に依存しており、結果が得られるのに2~3日程度の時間がかかることや、培養ができない場合は全く情報が得られないことが問題である。本研究では緑膿菌、大腸菌、クレブシエラ菌を対象菌種として、細菌由来の核酸のうち生体内での安定性が低いRNAをマーカーとして利用し、細菌培養を行わずに迅速な感染症の原因菌の感受性検査法を確立することが目的である。 2022年度はin vitro実験により、各種抗生物質を緑膿菌に対して曝露した際の、生菌数の変化と細菌から抽出したRNAの関係性を解析した。マーカーとして候補となるRNAに対して測定法の構築を検討した。このRNAに対して定量PCR(プローブ法)での測定系を構築した。このマーカーを用いて検出感度が十分かつ迅速に感受性判定を行えるかの検証実験を実施中である。一方で同じRNAを対象としたデジタルPCR(QX200 Droplet)を用いた測定系についても検討を開始している。 また、他の研究で良好な結果が得られているヒトの血液サンプルからRNAを抽出する専用のキット(Tempus Spin RNA Isolation Kit)を用いた菌由来RNA回収の検討については、物流の影響で検討が滞っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍での研究活動の制限や研究の消耗品の品薄(コロナ禍の間接的な影響)
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Strategy for Future Research Activity |
迅速性のある感受性マーカーとして使用できるか検討する。感度に問題がある場合はデジタルPCRの使用も検討する。 さらに緑膿菌に対する検討を実施したのちに検討する大腸菌、クレブシエラ菌に菌種を広げていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍による研究活動の制限により遅れている検討があるため。
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