2022 Fiscal Year Annual Research Report
レドックス調節因子活性制御に基づく新たな肥満症予防および治療法の確立
Project/Area Number |
22K06762
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
澤本 一樹 旭川医科大学, 医学部, 特任助教 (80608696)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 光 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任准教授 (50788916)
永島田 まゆみ 金沢大学, 保健学系, 研究協力員 (30645510)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 肥満 / 生活習慣病 / Nrf2 / アデノ随伴ウイルス / 遺伝子治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満症に対する有効で安全性の高い予防および治療法の開発が社会的に求められている。転写因子Nrf2(Nuclear factor erythroid 2-related factor 2)は抗酸化酵素を誘導するマスター制御因子であるが、同分子が糖脂質エネルギー代謝調節機構に与える影響については未だ明確にはなっていない。そこで本研究においては、ウイルスベクターを用いてNrf2活性を段階的に調節することで、肥満状態における同分子の未知の代謝制御機構を明らかにすることを目的とする。今年度は、Nrf2を発現するアデノ随伴ウイルスベクター(AAV8型)を作製し、C57BL/6J雄性マウスへの静脈内投与を行った。投与後、高脂肪食を負荷し肥満を誘導した後に代謝臓器を採取し、各AAVベクターの生体内分布試験およびEGFPの発現解析を行った。とりわけ肝臓においてはAAVベクターの高い導入効率および強いEGFP蛍光を認めた。一方で、脂肪組織、膵臓、筋肉等のその他の代謝臓器においてはベクターの導入効率およびEGFP蛍光発現は乏しかった。対照群(コントロールベクター投与)と比較して、Nrf2発現AAVベクターを投与したマウスの肝臓におけるNrf2のタンパク発現およびNrf2標的遺伝子群のmRNA発現は上昇を認めた。また、対照群と比較してNrf2発現ベクター投与群では体重差に変動は見られなかったものの糖負荷試験後の血中濃度は低く推移し耐糖能の改善を認めた。
|