2023 Fiscal Year Research-status Report
人工的腫瘍内微小環境における神経接着分子を介した神経と脳腫瘍細胞の相互作用
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22K06771
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
武田 泰生 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 教授 (60245462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺薗 英之 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 教授 (30398143)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 神経細胞 / 脳腫瘍細胞 / クロストーク / マイクロパターン技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は神経細胞と脳腫瘍細胞の直接的なクロストークに着目し脳腫瘍克服のための新たな治療の可能性を明らかにすることである。これまで、本来の神経同士のシナプス形成に必要なタンパク質である神経接着分子群が、神経細胞と腫瘍細胞との機能的シナプス形成に関与するかは明らかにされていない。そこで神経終末(シナプス)に発現する神経接着分子の発現が、脳腫瘍細胞との機能的シナプス形成に関与するかを明らかにする。方法として、独自技術を用いて神経細胞と脳腫瘍細胞をシングルセル同士で共培養し、神経側の新規因子Xと脳腫瘍細胞の新規因子Yの相互作用をin vitro環境下で相互に確認する技術を開発し新規悪性脳腫瘍増殖のメカニズム解明とその解決法を明らかにする。 昨年度作製したマイクロデバイスを用いて神経細胞と脳腫瘍細胞の共培養系を構築した。物理的な細胞同士が接着できるバイオチップならびに培養液を介した液性因子によるクロストークを検証できるバイオチップを作製した。物理的あるいは液性因子による違いでグリア細胞の遺伝子発現を検証したが、培養中に細胞が剥離するなどの課題があり、解決するためのデザイン改良を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本申請研究を進める上での基幹技術であるマイクロパターン作製技術ならびに微小薬物送液システムの構築に成功したが、培養中の細胞剥離の問題点が明らかになり思ったより進まなかったため少し遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目は、培養の条件などを再検討し、構築した共培養下における細胞間シグナル応答を、遺伝子群の発現量解析(Real-time PCR法、シングルセル解析)、タンパク質の発現、相互作用解析(免疫沈降法、ウェスタンブロット法)を行い、共培養下における変化したシグナルの同定を行う。同定されたシグナル分子をノックダウン法や阻害剤を用いて機能的スクリーニングを行い、クロストークターゲット候補を同定する。
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