2022 Fiscal Year Research-status Report
鼓膜の収斂進化における分子発生学的メカニズムの解明
Project/Area Number |
22K06786
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
武智 正樹 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10455355)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古寺 敏子 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (90822809) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 鼓膜 / 中耳 / 咽頭弓 / 進化発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの比較発生学的・比較形態学的研究から、鼓膜を伴う中耳が哺乳類系統では下顎領域、爬虫類-鳥類系統では上顎領域にそれぞれ独立に進化したことを明らかにした。そこで本研究では、鼓膜の収斂進化は全く異なる分子メカニズムにより成立したのか、それとも共通の分子メカニズムがあるのかを明らかにすることを目的とした。本年度は、哺乳類のモデルであるマウスと爬虫類-鳥類のモデルであるニワトリにおける鼓膜形成関連遺伝子の探索と時空間的発現パターン解析を行った。本研究課題に対する先進ゲノム解析研究推進プラットフォーム(第2期先進ゲノム支援)支援により、マウス胚(胎齢12.-15.5日)とニワトリ胚(胎齢6-10日)の鼓膜形成領域において、遺伝子発現の相違性によって分類される複数の細胞クラスタリングに成功した。それぞれの細胞クラスターの遺伝子発現プロファイルを比較解析し、マウス胚とニワトリ胚の双方において鼓膜形成に関与する細胞クラスタ―を予測した。他の細胞クラスタ―には見られない当該細胞クラスタ―を特徴づける発現遺伝子群を探索し、マウスとニワトリにおける鼓膜形成関連遺伝子の候補をそれぞれ複数同定した。現在、この候補遺伝子について胚発生期(マウス胚:胎齢12.5-15.5日)とニワトリ胚(胎齢6-10日胚)における詳細な時空間的発現パターンをin situハイブリダイゼーションや免疫組織化学染色により解析している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先進ゲノム解析研究推進プラットフォーム(第2期先進ゲノム支援)支援により、鼓膜形成関連遺伝子の探索が順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は鼓膜形成関連遺伝子の探索を進めるとともに、現在予備実験中であるマウス、ニワトリにおける鼓膜形成のライブイメージングの解析データの取得を進める予定である。
|
Causes of Carryover |
本研究課題に対する先進ゲノム解析研究推進プラットフォーム(第2期先進ゲノム支援)支援が採択されたことにより、研究計画を一部変更したため。
|