2023 Fiscal Year Research-status Report
リンパ管・血管分離を維持する血小板放出因子の作用機序
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22K06788
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
椎谷 友博 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80613190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平島 正則 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40383757)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | リンパ管 / 血小板 |
Outline of Annual Research Achievements |
末梢組織ではリンパ管は血管から分離した独自のネットワークを形成している。リンパ管が血管から分離したネットワークを形成するのに血小板が重要な働きをしている。血小板は活性化により様々な因子を放出する。この因子がリンパ管と血管の分離に作用していると考えられる。この血小板放出因子の中から、この機能に重要だと思われる候補物質を同定した。実際に候補物質受容体の阻害薬をマウスに投与すると、リンパ管内に血球が流入することを確認した。さらに血管造影を行うと、造影試薬が血管からリンパ管へ流入する様子が観察された。今後は胎仔血管造影法を用いて、リンパ管と血管の吻合部の微細構造を詳細に解析する予定である。本研究で得られる知見により、薬物でリンパ管と血管の吻合を誘導しリンパ浮腫治療法開発の基盤となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リンパ管と血管の分離維持には活性化した血小板からの放出因子が関与すると考えられ、候補物質を複数特定した。候補物質受容体の阻害薬をマウスに投与すると、リンパ管内に血球が流入することを確認した。さらに血管造影を行うと、造影試薬が血管からリンパ管へ流入する様子が観察された。この結果より、リンパ管と血管の吻合が形成された可能性がある。さらに候補物質の機能を調べるために、ゲノム編集技術を用いて遺伝子改変マウスを作製した。現在までに、候補物質受容体をヘテロ欠損したマウスの作製を行った。今後はこの遺伝子改変マウスを利用して、リンパ管の形態や機能を解析する。これまでに、リンパ管の形態や機能を解析するための造影試薬等、必要な試薬等を準備している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた遺伝子改変マウスを利用して、リンパ管と血管の吻合が形成されているか解析する。具体的には、胎仔血管造影法を用いてリンパ管や血管の微細構造を解析する予定である。さらに、ゲノム編集技術を用いて候補物質受容体発現細胞に蛍光タンパクを発現する遺伝子改変マウスの作製を試みる。この遺伝子改変マウスでは、蛍光タンパク質の発現様式を観察することで、候補物質受容体の発現解析を行うことができる。遺伝子改変マウスの作製後、共焦点レーザー顕微鏡やFACSを使用して解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究に必要な試薬を購入し残金が発生したため、次年度使用額として計上した。
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