2022 Fiscal Year Research-status Report
クライオ電子顕微鏡解析による転写メディエーター複合体の転写制御機構の解明
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22K06809
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
今崎 剛 神戸大学, 医学研究科, 助教 (60631661)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 転写制御 / クライオ電顕 |
Outline of Annual Research Achievements |
転写メディエーター複合体(以下メディエーター)はRNA polymerase II (Pol II)の転写開始時の制御を行う超分子複合体である. Pol IIに直接結合し転写活性化を行うコアメディエーターと, コアメディエーターに結合し転写の抑制, キナーゼサブユニットによるPol IIのC末端ドメイン(CTD)のリン酸化や, 転写活性化因子のリクルートによる転写活性化を行うCDKモジュール (以下CDKM)から構成されている. つまりCDKMはメディエーターの活性のON/OFFを切り替える最重要因子である. さらにCDKMの変異は精神性疾患, 大腸癌, 肉腫など疾病とも関連している. その重要性にもかかわらずCDKMの分子レベルでの‘転写制御機構は未だ不明である. 本研究では (A) クライオ電子線顕微鏡単粒子解析を用いてCDKMと基質の高分解能構造解析 (B) 組換えタンパク質のヒトCDKMとその変異体を用いたリン酸化アッセイによる, 変異のリン酸化への影響の解析 を行い, CDKMのリン酸化機構, そしてCDKMに数多くある疾病原因変異とこれら活性との関連を解明する. 今年度はクライオ電子顕微鏡単粒子解析に向け安定な基質との複合体調製条件の検討, ならびにグリッド作成条件の検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はクライオ電子顕微鏡単粒子解析に向け安定な基質との複合体調製条件の検討, ならびにグリッド作成条件の検討を行った. サンプル調整だが全長のサンプルを用いてCDKMを再構成、そこに基質を混合しグリッド作成を行い、ネガティブ染色電子顕微鏡解析、クライオ電子顕微鏡解析を行ってみたが粒子が不安定であることが分かった。グリッド作成の際の氷の厚みが厚いときは粒子が観察出来るが、氷が薄くなると粒子が壊れていた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はタンパク質コンストラクトの最適化、ならびにタンパク質Bufferの最適化、両面の条件検討を行いクライオ電子顕微鏡単粒子解析を目指す。
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Causes of Carryover |
コンストラクト作成に当初計画より時間がかかっており、培地、電子顕微鏡グリッドの使用量が予定より少なかったため、次年度 (今年度) へと繰り越した。今年度、来年度に培地、電子顕微鏡グリッドを購入する資金とする。
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Research Products
(5 results)