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2022 Fiscal Year Research-status Report

Elucidation of the localization and the role of O-GlcNAc-modified actin and phosphorylated actin in the nucleus

Research Project

Project/Area Number 22K06816
Research InstitutionKyorin University

Principal Investigator

秋元 義弘  杏林大学, 医学部, 教授 (60184115)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 宮東 昭彦  杏林大学, 医学部, 准教授 (80255398)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsアクチン / 糖修飾 / O-GlcNAc / リン酸化 / 腎糸球体
Outline of Annual Research Achievements

アクチンは細胞骨格成分としての機能がよく知られているのに加えて、近年、核内において転写などの調節に関与することが明らかになりつつある。 アクチンは、リン酸化、糖修飾(O-GlcNAc化)、ユビキチン化、SUMO化、アセチル化など様々な翻訳後修飾を受ける。アクチンの糖修飾(O-GlcNAc化)部位は6ヶ所あり、そのうち3ヶ所(Ser 52, 199, 323)はリン酸化部位と一致していることが明らかになっているが、これらの部位の糖修飾が、アクチンの機能の調節にどのように関与しているについては不明である。
核の内部には、クロマチンや核マトリクスの他に、核内構造体とよばれるRNAとRBP(RNA結合タンパク質)から構成される機能的な集合体が存在する。核内構造体では転写、RNAプロセシング、RNAエディティングなど様々なRNAの転写制御が行われている。核内構造体の主なものは、核小体、カハール体、核スペックル、パラスペックル、PML体、Gemがあり、それぞれ機能が異なることが知られている。本年度は、糖修飾アクチンの核内における役割について調べる目的で、糖修飾(O-GlcNAc化Ser199)アクチン抗体と核内構造体に対するマーカータンパク質抗体を用いて、免疫組織化学的方法と免疫沈降法により糖修飾アクチンがこれらの核内構造体のどれに局在するかを検討した。
その結果、ラット腎糸球体の核において糖修飾アクチンが核スペックルに局在するserine and arginine rich splicing factor 3 (SRSF3)と共局在していることが明らかになった。さらに、糖修飾アクチン抗体による免疫沈降産物を用いてWestern blottingを行ったところ、糖修飾アクチンとSRSF3の結合性が確認された。SRSF3 は、転写、RNA プロセッシングやタンパク質の翻訳などさまざまな機能を担っていることが明らかになっている。以上のことから、糖修飾アクチンが核スペックルにおいてSRSF3と相互作用してこれらの機能を調節することが推測された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

アクチンのアミノ酸配列の中で糖修飾とリン酸化の修飾が同じセリン残基で起こる3ヶ所の部位のうち、糖修飾・リン酸化Ser199アクチン抗体を作製し、この抗体と市販の核内構造体に対する抗体を用いて修飾アクチンが核内構造体である核小体、カハール体、核スペックル、パラスペックル、PML体、Gemのどれに局在するかを検討した。
組織、細胞における糖修飾アクチンとリン酸化アクチンの核内局在と核内構造体との関係を調べることを目的に腎臓、肝臓、網膜、神経などの組織、培養細胞における糖修飾アクチンとリン酸化アクチンの核内局在を免疫組織化学的に調べており、順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

糖修飾、リン酸化アクチンの核内での機能(転写への関与)を調べることを目的に、修飾アクチンの転写調節への関与を解析する。まずRNAポリメラーゼIIと糖修飾、リン酸化アクチンが共局在しているか免疫染色で調べる。さらに修飾アクチンがRNAポリメラーゼIIと複合体を形成して、RNA転写に関与するか否かをin situ Proximity Ligation Assay法にて検討する。また、培養細胞内に修飾アクチン抗体を導入後、細胞を permeabilizeし、BrUTPとインキュベートする。新た産生されたmRNAを蛍光標識抗BrdU抗体により可視化する。これによって修飾アクチンと転写との関係が明らかになる。
さらに、糖修飾アクチン、リン酸化アクチンと相互作用する核内タンパク質の同定することを目的に、核画分タンパク質を、修飾アクチン抗体を用いて免疫沈降を行う。そのタンパク質を電気泳動にて分離する。このタンパク質を含むバンドをゲルから切り出し、マススペクトロメトリーにより同定する。これによって同定されたタンパク質から、修飾アクチンの核内での機能について推測する。

Causes of Carryover

アクチンのアミノ酸配列の中で糖修飾とリン酸化の修飾が同じセリン残基で起こる3ヶ所の部位のうち、すでに糖修飾・リン酸化Ser199アクチン抗体、を作製して予備的実験を行って、この抗体が実験に使用できることが判明したため、新たに抗体を作製する必要がなくなったため次年度使用額が生じた。
次年度は、修飾アクチンがRNAポリメラーゼIIと複合体を形成して、RNA転写に関与するか否かをin situ Proximity Ligation Assay法にて検討する。さらに、糖修飾アクチン、リン酸化アクチンと相互作用する核内タンパク質の同定することを目的に、核画分タンパク質を、修飾アクチン抗体を用いて免疫沈降を行う。そのタンパク質を電気泳動にて分離する。このタンパク質を含むバンドをゲルから切り出し、マススペクトロメトリーにより同定する。次年度使用額はこれらの試薬購入に使用する予定である。

  • Research Products

    (7 results)

All 2023 2022 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (1 results) Book (1 results) Remarks (1 results)

  • [Int'l Joint Research] Comp Carbohyd Res Ctr, Univ. Georgia(米国)

    • Country Name
      U.S.A.
    • Counterpart Institution
      Comp Carbohyd Res Ctr, Univ. Georgia
  • [Journal Article] A new beta cell-specific mitophagy reporter mouse shows that metabolic stress leads to accumulation of dysfunctional mitochondria despite increased mitophagy.2023

    • Author(s)
      Aoyagi K, Yamashita SI, Akimoto Y, Nishiwaki C, Nakamichi Y, Udagawa H, Abe M, Sakimura K, Kanki T, Ohara-Imaizumi M
    • Journal Title

      Diabetologia

      Volume: 66 Pages: 147-162

    • DOI

      10.1007/s00125-022-05800-8

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Exploring the pathophysiological mechanism of interstitial edema focusing on the role of macrophages and their interaction with the glycocalyx.2023

    • Author(s)
      Nishida R, Suzuki D, Akimoto Y, Matsubara S, Hayakawa J , Ushiyama A, Sasa K, Miyamoto Y, Iijima T, Kamijo R
    • Journal Title

      J Oral Biosci

      Volume: 65 Pages: 111-118

    • DOI

      10.1016/j.job.2023.01.001

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Brain Imaging for Glycobiology.2022

    • Author(s)
      Yoshimura T, Yamagishi S, Akimoto Y, Saitoh S
    • Journal Title

      Front Neuroanat

      Volume: 16 Pages: 1026499

    • DOI

      10.3389/fnana.2022.1026499

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 糖修飾β-アクチンの核内における局在.2023

    • Author(s)
      秋元義弘, 三浦ゆり, 宮東昭彦, Gerald W Hart, 遠藤玉夫
    • Organizer
      第128回日本解剖学会総会・全国学術集会
  • [Book] Essentials of Glycobiology. 4th edition2022

    • Author(s)
      Zachara NE, Akimoto Y, Boyce M, Hart GW
    • Total Pages
      892
    • Publisher
      Cold Spring Harbor Laboratory Press
    • ISBN
      978-1-621824-21-3
  • [Remarks]

    • URL

      https://www.kyorin-u.ac.jp/univ/user/medicine/anat2/

URL: 

Published: 2023-12-25  

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