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2023 Fiscal Year Research-status Report

成体型再生を可能とする成体イモリの脊髄再生における神経細胞新生の意義の検証

Research Project

Project/Area Number 22K06822
Research InstitutionKansai Medical University

Principal Investigator

北田 容章  関西医科大学, 医学部, 教授 (80324614)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords脊髄損傷 / 有尾両生類 / 遺伝子組換え / 細胞運命追跡
Outline of Annual Research Achievements

哺乳類に比し魚類や両生類は高い再生能を有することが知られ、中でも有尾両生類の1種であるイモリは成体においても自発的に生じる再生により様々な臓器・器官の解剖学的・機能的再建を果たすことが知られている。本研究では、イモリの脊髄損傷後の解剖学的・機能的再建のメカニズムに迫ることを目的としている。再生生物学における臓器・器官の再生は幼生型・成体型に分類可能とされ、イモリはその両方が可能である。前者では幹・前駆細胞が主たる役割を果たすのに対し、後者では成熟細胞の脱分化が重要とされる。この再生機構が幼生型から成体型へと移行する時期を特定するため、脊髄に存在する特定の分裂細胞についてその発生・発達時系列における数の変化に着目した実験を行ったところ、特定の時期においてその数が有意差をもって減じることが明らかとなった。すなわち、この時期をもって幼生型から成体型へと移行するものと考えられた。次に、イモリ脊髄再生における解剖学的・機能的再建において特に重要と考えられる神経細胞新生の意義を検討するため、新生神経細胞の蛍光標識を可能とする実験系、および新生神経細胞を死滅させる実験系として、それぞれダブルトランスジェニックイモリを作成した。F2動物を効率的に得ることに多少苦労しており、効率化のための環境整備を行った。更に、イモリ脊髄損傷における自発的再生に寄与する遺伝子について、トランスクリプトーム解析その候補となる30遺伝子を同定した。これらの遺伝子についてin situ hybridizationによりその局在を明らかとすると共に、随時ノックアウトイモリを作成しその表現型解析を元とした機能解析を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新生神経細胞の蛍光標識を可能とする実験系、および新生神経細胞を死滅させる実験系として、それぞれダブルトランスジェニックイモリ作成実験について、作成そのものは比較的順調に進んだが、F2動物において導入遺伝子の発現が観察されない個体が散見され、効率が落ちている。一方で、申請時の計画に先駆け、脊髄再生に寄与する再生遺伝子の同定については随時ノックアウト個体を得ることができており、これらの表現型解析も解析しつつある。全体としては少しの遅れとして認識している。

Strategy for Future Research Activity

ダブルトランスジェニックイモリのF2動物の作成については、飼育環境の整備を行うことで良い卵を得ることが可能となるものと考えられる。広島大学両生類研究センターに設置されたツメガエル・イモリナショナルバイオリソースプロジェクトの力添えをいただき、これを進める。再生候補遺伝子については、これら遺伝子の正常脊髄および損傷脊髄における発現様式と、ゲノム編集によるノックアウト動物作成とその表現型解析を進める。

Causes of Carryover

ダブルトランスジェニックイモリF2動物作成に時間がかかっており、次年度も新生神経細胞の機能解析を行う必要がある。また、再生候補遺伝子の機能解析にも用いる。

  • Research Products

    (5 results)

All 2024 2023

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Tumor suppressor let-7 acts as a key regulator for pluripotency gene expression in Muse cells2024

    • Author(s)
      Li Gen、Wakao Shohei、Kitada Masaaki、Dezawa Mari
    • Journal Title

      Cellular and Molecular Life Sciences

      Volume: 81 Pages: 54

    • DOI

      10.1007/s00018-023-05089-9

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] OLIG2 translocates to chromosomes during mitosis via a temperature downshift: A novel neural cold response of mitotic bookmarking2024

    • Author(s)
      Hayashi Shinichi、Seki-Omura Ryohei、Yamada Shintaro、Kamata Taito、Sato Yuki、Oe Souichi、Koike Taro、Nakano Yousuke、Iwashita Hikaru、Hirahara Yukie、Tanaka Susumu、Sekijima Tsuneo、Ito Takeshi、Yasukochi Yoshiki、Higasa Koichiro、Kitada Masaaki
    • Journal Title

      Gene

      Volume: 891 Pages: 147829~147829

    • DOI

      10.1016/j.gene.2023.147829

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] <scp>OLIG2</scp> is an in vivo bookmarking transcription factor in the developing neural tube in mouse2023

    • Author(s)
      Hayashi Shinichi、Oe Souichi、Koike Taro、Seki‐Omura Ryohei、Nakano Yosuke、Hirahara Yukie、Tanaka Susumu、Ito Takeshi、Yasukochi Yoshiki、Higasa Koichiro、Kitada Masaaki
    • Journal Title

      Journal of Neurochemistry

      Volume: 165 Pages: 303~317

    • DOI

      10.1111/jnc.15746

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 有尾両生類の神経幹細胞の特殊性について2023

    • Author(s)
      関亮平, 林真一, 大江総一, 佐藤勇輝, 小池太郎, 中野洋輔, 岩下洸, 平原幸恵, 北田容章
    • Organizer
      第129回日本解剖学会総会・全国学術集会
  • [Presentation] イモリ型脊髄再生における再生遺伝子の特定と原理の解明2023

    • Author(s)
      林真一, 関亮平, 佐藤勇輝, 大江総一, 小池太郎, 中野洋輔, 岩下洸, 伊藤健, 安河内彦輝, 日笠幸一郎, 北田容章
    • Organizer
      第129回日本解剖学会総会・全国学術集会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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