2022 Fiscal Year Research-status Report
電位依存性プロトンチャネルHv1/VSOPによる酸化ストレス抑制機能の解明
Project/Area Number |
22K06829
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大河内 善史 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (90435818)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | プロトンチャネル / NADPHオキシダーゼ / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
本実験では、Hv1/VSOPによる抗酸化ストレス作用を明らかにするために、活性酸素を作る酵素であるNADPHオキシダーゼによる酸化ストレス作用に着目して実験を行った。初年度はHv1/VSOPによるNADPHオキシダーゼを制御する機構に着目して実験を行った。具体的には、Hv1/VSOPがNADPHオキシダーゼの数の制御に関わる可能性を検証するためにビオチン化法により細胞膜上に発現するNADPHオキシダーゼの定量を試みた。まず、好中球走化性因子であるfMLFで好中球を刺激すると細胞膜にNADPHオキシダーゼがリクルートされることを利用して、マウス骨髄から単離した好中球をfMLF刺激した後、ビオチン化法により細胞膜上に局在するNADPHオキシダーゼを回収した。刺激していない好中球に対してもビオチン化法により細胞膜上のNADPHオキシダーゼを回収し、NADPHオキシダーゼの抗体を用いたウェスタンブロット法で発現を調べた。その結果、fMFL刺激された好中球においてNADPHオキシダーゼのバンドが検出された。ビオチンのみではNADPHオキシダーゼは検出されなかった。一方で、刺激していない好中球においてはNADPHオキシダーゼのバンドは検出されたものの非常に低レベルの発現であることが示唆された。すなわち、ビオチン化法により細胞膜上のNADPHオキシダーゼを検出することができること、そして局在レベルを定量化できることが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞膜上に局在するNADPHオキシダーゼの数の定量化の目途はついたものの、野生型とHv1/VSOPノックアウトマウスから単離した細胞間でのNADPHオキシダーゼの数を定量化した結果が得られていないため。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、細胞膜上に局在するNADPHオキシダーゼの数を定量化し、野生型とHv1/VSOPノックアウトマウスから単離した細胞間で比較する。その結果をもとに、NADPHオキシダーゼの局在制御におけるHv1/VSOPの役割を推定し、制御機構の解析を行う。
|