2022 Fiscal Year Research-status Report
低酸素誘導因子1α が胎生初期心臓原基の拍動開始および拍動維持に及ぼす影響の検討
Project/Area Number |
22K06846
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
當瀬 規嗣 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80192657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 達也 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40592473)
一瀬 信敏 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60448610)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 心拍動開始機構 / 代謝 / HIF-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は心拍動開始機構の解明を目的として、低酸素下における胎仔心臓の拍動開始および拍動維持に重要な役割を持つと考えられる、HIF-1シグナル活性化を介したエネルギー代謝制御ならびにレドックス制御機構に着目している。1年目では、心拍動直後(E10 post)の心臓原基と拍動開始1日後(E11)の原始心筒をサンプルとして、gene ontology 解析、Pathway解析、Upstream解析を行い、タンパク発現の変化を網羅的に評価した。その結果、E11原始心筒ではE10心臓原基に比してクエン酸回路に関わるタンパク質発現が顕著に増加していた。また発現が低下したタンパク質は細胞死/オートファジー関連のものが多く存在していた。以上のことから心臓原基から原始心筒への発生過程でエネルギー需要増加を賄うために、ミトコンドリア呼吸に関わるタンパク質発現が亢進することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心拍動開始後にクエン酸回路関連タンパク質が増加することが明らかとなり、心拍動開始期の代謝機構の特徴の一端が示された。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は概ね予定通りに進んでいる。今後はE10post心臓原基とE11原始心筒の代謝機能やATP産生に関わる酸素消費/解糖を解析し、論文報告を行いたい。
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Causes of Carryover |
令和4年度はプロテオーム解析に注力し、胎仔心臓原基の低酸素領域の同定、心拍動開始期の遺伝子発現パターンの解析を行わなかったため、試薬などの消費が少なかった。今後は研究の進展に従い順次上記解析を進めたい。
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Research Products
(4 results)