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2022 Fiscal Year Research-status Report

細胞分裂数を記録する人工遺伝子の開発

Research Project

Project/Area Number 22K06898
Research InstitutionGifu University

Principal Investigator

長岡 仁  岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20270647)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 佐藤 克哉  岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60733508)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
KeywordsTN3 resolvase / dCas9 / DNA組換え
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、さまざまな細胞において、細胞分裂数をモニタリングできる人工構築を開発することを目的とする。そのため、新たに、認識配列を容易に操作でき、多様な配列特異的組換えを誘導できる人工酵素を作成することが第一目標である。
TN3 resolvaseのcatalitic domainに、転写因子egr1の3連のジンクフィンガー(ZF)DNA結合ドメインを融合させたタンパク質(TN3-L6-ZF3)の、大腸菌用の発現コンストラクトを作成した。また、二カ所の人工的組換えシグナルをもち、組換え反応をGFP蛍光喪失で検出できる標的構築を、p15Aオリのプラスミドで作成し、これらを用いて実際に組換え反応が、高率に起きること、また、3連のZFを一つもしくは二つ欠くと(TN3-L6-ZF2及びTN3-L6-ZF1)組換は全く起こらないことを確認した。
次に、組換え標的配列の柔軟性を担保するために、TN3-L6-ZF1のC末端側にdCas9の配列をGGSリンカーを挟んで付加した発現プラスミドを作成した。dCas9用のsgRNAを2種同時に発現させるため、Lacプロモーター制御下に、自己切断能を持つribozymeの配列を挟んで2種類のsgRNAを発現するように設計したコンストラクトをpSC101オリを持つプラスミドで構築し、タンパク質とガイドRNAと組換え標的の三種プラスミドが併存して組換え反応を検出できる系を構築した。その結果、GFP喪失は顕著ではないが、PCR法による組換え検出により、想定通りに配列特異的組換が起こることが確認された。
この結果は、新たに設計した人工組換え酵素は想定通り組換えを起こす事、また今後リンカー長やガイド位置などの細かい条件を検討して最適化を進める必要があるが、そのための系が構築できた、という事を示しており、計画実現に向けての重要な進歩である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

厳密に言えば、組み換え酵素の最適化を初年度に完了する予定であったが、以下の想定外の微細な、手順およびプラスミドに変更の必要が生じたため、最適化は完了していない。
1)人工の組換え配列を左右対称として設計していたが、構築の際に原因不明でプラスミドに導入できなかった。結局、試みに左右非対称の配列に変更することで導入できたが、解決まで時間を要し、遅延が生じた。
2)1)の変更により、sgRNAを同時に2種類、大腸菌内で発現させることが必要となった。そのため急遽、pSC101オリジンを持つプラスミドを導入することとしたが、マイナーな変更であったものの、プラスミド系の変更に当たると考えられたので、組換えDNA実験計画の変更届けを所属機関に提出して、その審査を受ける必要があると判断した。

Strategy for Future Research Activity

当初計画より多少の遅延があるとはいえ、システム開発としては、マイナーな変更を経ながらも、期待通りの結果が得られており、酵素の最適化と、その次のステップとしてのシステムの真核細胞への適用に向けて計画通り進めていく予定である。

Causes of Carryover

当初予定されていた計画に軽微な変更と、それに伴う若干の遅延が発生したため、その分初年度分の予算執行を次年度に繰り越すこととしました。また、当初購入を計画していた原核生物用のエレクトロポレーターの性能が安定しない懸念が生じたため、その機器で行う実験を代替できる、市販のコンピテント大腸菌と制限酵素フリーのDNA組換えシステム(例:NEBuilder)を組み合わせて用いた場合の効率を総合的に比較し、60万円程度の機器を一括で購入するよりも、その分の費用を使って十分な市販試薬やDNA合成の発注を行う方が、より合理的であると判断しました。そのため、初年度に予定していた機器に対する一括の支出を次年度以降にも幕張って行うこととしました。

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Published: 2023-12-25  

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