2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of an innovative anti-Alzheimer drug that selectively inhibits the ubiquitination of BRI2 and BRI3
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22K06911
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
麻生 悌二郎 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 教授 (20291289)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / 認知症 / NRBP1 / BRI2 / BRI3 / 創薬 / ユビキチンリガーゼ / タンパク質間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
NRBP1-BRI2間の相互作用を阻害する中分子化合物の探索: 前年度に理研DMPの支援のもと、15,000サンプルを含む中分子化合物ライブラリーを対象に二分子発光補完法を用いたスクリーニングを実施し、321個の一次ヒット化合物が、次いで濃度依存性試験、カウンター試験等から成る評価を実施し、19個の二次ヒット化合物が得られていた。 今年度は、これらのうち合成品の入手が可能であった16化合物について高次評価を実施した。方法は、Aβ産生総量の増加を招くスウェーデン変異を導入したAPPを安定発現するヒト神経系培養細胞SH-SY5Yに化合物を添加して、24 h後に細胞と培養上清を回収した。BRI2の細胞内在量の増加は、細胞溶解液中のBRI2タンパク質量を免疫ブロットにより確認した。Aβ産生の抑制は、培養上清中のAβ40、Aβ42の濃度をAβ ELISAキットを用いて測定して確認した。また、Aβ凝集の抑制は、Gn-Aβ42とGc-Aβ42の安定共発現293T細胞に化合物を添加して、24 h後に培養上清を回収、上清中のGluc活性の低下により確認した。 結果は、BRI2の細胞内在量については、全長BRI2並びにFurin切断産物であるmature BRI2の量的増加はほとんど認められなかったが、いくつかの化合物によりADAM10切断産物であるNTF(N-terminal fragment)の量的増加が認められた。また、Aβ産生の抑制についても、Aβ40並びにAβ42の産生を再現性を持って抑制する化合物は存在しなかった。一方、ほとんどの化合物がAβ凝集抑制作用を示し、その作用強度とNTF量増加との間に一定の関連性が認められた。 結論として、今回得られた中分子ヒット化合物には内在性mature BRI2量の増加とAβ産生の抑制を誘導するのに十分な強度の活性を保持した化合物は存在しないと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
二次ヒット化合物の合成品の納品が予定より遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
入手が可能な残りの中分子化合物ライブラリーと低分子化合物ライブラリーのハイスループットスクリーニング(HTS)を行い、順次ヒット化合物の高次評価を進めていく。
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Causes of Carryover |
二次ヒット化合物の合成品の納品が遅れたため、限られた数の化合物の高次評価しか実施できず、次年度使用が生じた。 次期HTSで得られるヒット化合物の高次評価に必要な消耗品の購入等に充てる予定である。
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