2024 Fiscal Year Annual Research Report
Towards understanding of life cycle of prematurely terminated RNAs accumulated in cancer cells
| Project/Area Number |
22K06925
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| Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
尾上 耕一 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (70796523)
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| Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | イントロン内ポリアデニル化 / がんトランスクリプトーム / RNA修飾 / RNA代謝 / 新生抗原 |
| Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに構築したパイプラインを用いて、急性骨髄性白血病のバルクRNA-seqデータに基づくptRNA解析を2,000症例以上にまで拡大した。その定量結果に基づき患者を層別化したところ、大きく3つのクラスターに分けられることを明らかにした。これらのクラスターは、分化傾向による患者の分類や、遺伝子変異による分類と一致しなかったが、RNA修飾因子の発現パターンと関連していた。さらに、分化傾向による分類と組み合わせることで、予後良好な患者群から高リスク群を抽出できることを見出した。異なるコホートにおいてもこれらが再現することを確認できており、ptRNAプロファイルに基づく急性骨髄性白血病患者の詳細な層別化への適用が期待できる。 造血系幹細胞の分化に伴うptRNAプロファイルの変化と、疾患によるその異常に関する知見を得るため、シングルセルRNA-seqデータから分化ヒエラルキーと紐づけたptRNA解析も行った。その結果、(1)健常者で検出されるptRNA発現イベントは、生体膜に局在するタンパク質や輸送に関わるタンパク質の遺伝子に特に多く、その頻度は分化の進行に伴い減少すること、(2)スプライシング因子に変異をもつ骨髄異形成症候群患者では、それら分化に伴う変動が起こらないことを明らかにできた。 ptRNAから産生されるタンパク質は、C末端にイントロンの一部が翻訳された異常な配列をもつ。このペプチドの新生抗原としての性質の理解と利用への足掛かりとなる知見を得るため、新生ペプチド配列のin silico分析パイプラインを構築した。翻訳領域化したイントロンのほとんは終止コドンをもち、その欠損により引き起こされるnon-stop decayで除去されると予想されるものは全体の0.7%程度しかないことが明らかとなった。また、ペプチドの切断可能性と種々のHLA-Iによる抗原提示性の予測も完了した。
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