2023 Fiscal Year Research-status Report
新規脂質染色と組織透明化を組み合わせた断端がんの3次元病理診断法の開発
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22K06960
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
川上 良介 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (40508818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 正基 宮崎大学, 医学系研究科, 客員教授 (20278302)
仁子 陽輔 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 准教授 (20782056)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | in vivoイメージング / タイムラプス撮影 / がん / 皮膚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、新たにソルバトクロミック色素Z-NiKchの合成に成功した。特徴として、生体外から直接皮膚内のケラチノサイトを染色できる機能を示した。そこでマウス皮膚において2光子顕微鏡によるin vivoイメージングを実施した結果、ケラチノサイトの細胞形態および真皮での線維芽細胞の描出に成功した。驚くべきことに、タイムラプスイメージングを実施した結果、ケラチノサイトの細胞分裂を生きたマウス個体内で可視化できることが明らかになった。また、皮膚内を遊走する細胞についても明瞭に描出されており、これは免疫系の細胞と推定される。一方で、新たなソルバトクロミック色素の改良としてさらなる組織浸透性の向上を期待して新たな官能基の追加などの化合物を合成したが、想定通りとは異なる結果が得られている。これは、皮膚のバリア機能について完全に解明されているわけではないことが一つの理由として考えられる。次年度ではがん由来の培養細胞をマウス生体に移植することで断端がんのマウスモデルを作成し、新たに合成したソルバトクロミック色素を用いてin vivoタイムラプスイメージングを実施する。また、実際の病理組織を用いることで、断端がんの可視化に関わるイメージング法の最適化を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
機械学習を用いた情報抽出についての諸条件が確定していないが、マウスモデルを用いたライブイメージングについて想定以上の成果が得られており、おおむね順調に進展しているとみなされる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、がん移植モデルマウスの作成を優先し、得られた画像を基に機械学習による領域推定に関する諸条件を確定していく。
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Causes of Carryover |
ウクライナ関連および極端な円安ドル高による影響で延期していた海外の国際学会への参加・発表についてさらに延期したため。本年度では可能な限り学会への参加・発表を実施する。
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