2023 Fiscal Year Research-status Report
癌細胞と間質細胞との直接接触による細胞間相互作用を介した食道癌の進展機構の解析
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22K06978
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
狛 雄一朗 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (40714647)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 食道癌 / 癌微小環境 / 線維芽細胞 / マクロファージ / 癌間質相互作用 / 直接接触 |
Outline of Annual Research Achievements |
食道扁平上皮癌(ESCC)細胞・マクロファージ・線維芽細胞の間の「直接接触による細胞間相互作用」を媒介する分子の役割を各種培養細胞や病理組織標本を用いて解析した。 研究①:前年度に確立したESCC細胞とヒト骨髄由来間葉系幹細胞(MSC)との直接共培養系を引き続き解析した。「単独培養後のESCC細胞株」と「直接共培養後のESCC細胞株」、あるいは「単独培養後のMSC」と「直接共培養後のMSC(CAF様細胞)」との間でcDNAマイクロアレイ解析を実施し、直接共培養後に癌細胞あるいはCAF様細胞で高発現する分子を複数見出した。このうち一つは解析が終了し、既に論文がアクセプトされたが、出版が次年度のため今年度の研究実績の概要欄では詳細を割愛する。 研究②:既に確立していたESCC細胞株とマクロファージとの直接共培養系を解析した。マクロファージと直接共培養後のESCC細胞株においてmatrix metalloproteinase 9 (MMP9)とinterferon-inducible protein 16 (IFI16)の発現が亢進していた。MMP9はSTAT3経路の活性化により発現が亢進し、癌細胞の運動・浸潤能を促進した。MMP9を癌胞巣において高発現するESCC症例は不良な予後を示した。また、IFI16は癌細胞の生存・増殖・運動能に関与し、この表現型はIFI16によって発現調節されるinterleukin-1α (IL-1α)を介していた。IFI16を高発現するESCC症例は予後不良な傾向を示した。以上からマクロファージとの相互作用によって癌細胞において発現亢進するMMP9やIFI16がESCCの進展に寄与することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究①で実施した「単独培養後のESCC細胞株」と「直接共培養後のESCC細胞株」、あるいは「単独培養後のMSC」と「直接共培養後のMSC(CAF様細胞)」との間のcDNAマイクロアレイ解析では、直接共培養によって種々の遺伝子が癌細胞あるいはMSCにおいて高発現していることを見出した。現在、そのうち数種類の遺伝子の解析を進め、直接共培養によって亢進する癌細胞の悪性形質との関連を明らかにしつつある。このうち一つは既に論文がアクセプトされたが、出版が次年度のため詳細を割愛する(解析分子はCAFで高発現していたペリオスチン)。 研究②ではマクロファージとの直接共培養によって癌細胞において発現亢進するMMP9とIFI16の機能解析を実施した。ESCCにおけるMMP9とIFI16の意義を明らかにし、それぞれ国際誌の論文として発表できた。 いずれの研究内容においても国内学会において複数の学会発表を実施し、前者のペリオスチンに関する研究発表(大学院生担当)については第43回日本分子腫瘍マーカー研究会において大会長特別賞を受賞した(2023年9月)。
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Strategy for Future Research Activity |
研究①で実施したcDNAマイクロアレイの結果から複数の分子に注目しているが、引き続きこれらの分子がESCCの進展に関与するかどうかをESCC細胞株やESCC組織を用いて解析する。現在解析中の分子の一つは直接共培養後の癌細胞において発現が亢進し、癌細胞の表現型への影響だけでなく線維芽細胞にも作用することを明らかにしつつある。また、この他に直接共培養後の癌細胞とCAFのいずれにおいても発現亢進する接着分子やCAFにおいて発現・分泌亢進する液性因子の解析を進めている。 研究②ではマクロファージとの直接共培養によって発現亢進する分子を引き続き解析する。 さらには線維芽細胞とマクロファージとの間の相互作用を媒介する可能性のある分子についても見出すことができれば、ESCC細胞・マクロファージ・線維芽細胞の3者の間の相互作用をさらに解明することができると期待されるため、この観点でも解析対象分子を検索する。
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Research Products
(32 results)
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[Journal Article] Matrix Metalloproteinase 9 Induced in Esophageal Squamous Cell Carcinoma Cells via Close Contact with Tumor-Associated Macrophages Contributes to Cancer Progression and Poor Prognosis.2023
Author(s)
Tsukamoto S, Koma YI, Kitamura Y, Tanigawa K, Azumi Y, Miyako S, Urakami S, Hosono M, Kodama T, Nishio M, Shigeoka M, Yokozaki H.
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Journal Title
Cancers (Basel)
Volume: 15
Pages: 2987
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Biological and clinical significance of the YKL-40/osteopontin-integrin β4-p70S6K axis induced by macrophages in early oesophageal squamous cell carcinoma.2023
Author(s)
Urakami S, Koma YI, Tsukamoto S, Azumi Y, Miyako S, Kitamura Y, Kodama T, Nishio M, Shigeoka M, Abe H, Usami Y, Kodama Y, Yokozaki H.
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Journal Title
The Journal of Pathology
Volume: 261
Pages: 55~70
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] IFI16 Induced by Direct Interaction between Esophageal Squamous Cell Carcinomas and Macrophages Promotes Tumor Progression via Secretion of IL-1α.2023
Author(s)
Azumi Y, Koma YI, Tsukamoto S, Kitamura Y, Ishihara N, Yamanaka K, Nakanishi T, Miyako S, Urakami S, Tanigawa K, Kodama T, Nishio M, Shigeoka M, Kakeji Y, Yokozaki H.
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Journal Title
Cells
Volume: 12
Pages: 2603
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] 食道扁平上皮癌微小環境において癌関連線維芽細胞由来のペリオスチンが癌進展を促進する2023
Author(s)
都 鍾智, 中西 崇, 大森 將貴, 鳥越 陸矢, 横尾 拓樹, 山中 啓太郎, 石原 伸朗, 塚本 修一, 安積 佑樹, 浦上 聡, 児玉 貴之, 西尾 真理, 重岡 学, 狛 雄一朗, 横崎 宏
Organizer
第43回日本分子腫瘍マーカー研究会
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[Presentation] MMP9 and IL-8 are induced in ESCC cells by interaction with macrophages and thereby promoting cancer cell invasion2023
Author(s)
塚本修一, 大森 將貴, 鳥越陸矢, 横尾 拓樹, 中西 崇, 山中 啓太郎, 石原伸朗, 安積佑樹, 都 鍾智, 浦上 聡, 児玉 貴之, 西尾真理, 重岡 学, 狛 雄一朗, 横崎 宏
Organizer
第82回日本癌学会学術総会
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[Presentation] The significance of osteopontin/YKL-40-integrin β4-p70S6K axis in early esophageal squamous cell carcinoma2023
Author(s)
浦上 聡, 塚本 修一, 山中 啓太郎, 中西 崇, 石原伸朗, 安積佑樹, 都 鍾智, 児玉貴之, 西尾真理, 重岡 学, 狛 雄一朗, 横崎 宏
Organizer
第82回日本癌学会学術総会
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[Presentation] Using 3D cell culture system to assess the roles of CAFs in ESCC microenvironment2023
Author(s)
狛 雄一朗, 大森將貴, 鳥越陸矢, 横尾拓樹, 塚本修一, 中西 崇, 山中 啓太郎, 石原伸朗, 安積佑樹, 都 鍾智, 浦上 聡, 児玉貴之, 西尾真理, 重岡 学, 横崎 宏
Organizer
第82回日本癌学会学術総会
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[Presentation] Analysis of amphiregulin upregulated in ESCC cells directly co-cultured with cancer-associated fibroblasts2023
Author(s)
中西 崇, 都 鍾智, 塚本修一, 鳥越 陸矢, 横尾拓樹, 大森將貴, 山中 啓太郎, 石原伸朗, 安積佑樹, 浦上 聡, 児玉貴之, 西尾真理, 重岡 学, 狛 雄一朗, 横崎 宏
Organizer
第82回日本癌学会学術総会
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[Presentation] Periostin derived from CAFs in ESCC microenvironment promotes cancer progression2023
Author(s)
都 鍾智, 大森將貴, 鳥越陸矢, 横尾拓樹, 中西 崇, 山中 啓太郎, 石原 伸朗, 塚本 修一, 安積佑樹, 浦上 聡, 児玉貴之, 西尾真理, 重岡 学, 狛 雄一朗, 横崎 宏
Organizer
第82回日本癌学会学術総会
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[Presentation] IFI16 induced by direct co-culture between ESCC cell and macrophage promotes tumor progression via secretion of IL-1α2023
Author(s)
安積 佑樹, 大森 將貴, 鳥越 陸矢, 横尾 拓樹, 中西 崇, 山中 啓太郎, 石原伸朗, 塚本修一, 都 鍾智, 浦上 聡, 児玉貴之, 西尾真理, 重岡 学, 狛 雄一朗, 横崎 宏
Organizer
第82回日本癌学会学術総会
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[Presentation] Analysis of interactions between carcinoma cells and tumor-associated macrophages in the progression of ovarian cancer2023
Author(s)
山中 啓太郎, 塚本修一, 中西 崇, 石原 伸朗, 安積佑樹, 都 鍾智, 浦上 聡, 児玉貴之, 西尾真理, 重岡 学, 狛 雄一朗, 寺井義人, 横崎 宏
Organizer
第82回日本癌学会学術総会
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[Presentation] LPS from periodontal pathogen P.gingivalis enhances interplay of tongue cancer cell with macrophage via TLR42023
Author(s)
重岡 学, 鳥越陸矢, 横尾拓樹, 大森 將貴, 塚本修一, 中西 崇, 山中啓太郎, 石原 伸朗, 安積佑樹, 都 鍾智, 浦上 聡, 児玉貴之, 西尾真理, 狛 雄一朗, 横崎 宏
Organizer
第82回日本癌学会学術総会
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[Presentation] Analysis of interactions between carcinoma cells and macrophages in the progression of hepatocellular carcinoma2023
Author(s)
石原伸朗, 大森將貴, 塚本 修一, 中西 崇, 山中 啓太郎, 安積佑樹, 都 鍾智, 浦上 聡, 児玉貴之, 西尾真理, 重岡 学, 狛 雄一朗, 福本 巧, 横崎 宏
Organizer
第82回日本癌学会学術総会
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[Presentation] 食道扁平上皮癌と腫瘍関連マクロファージとの直接共培養により発現亢進するIFI16はIL-1αの分泌を介して腫瘍進展に関与する2023
Author(s)
安積佑樹, 大森將貴, 鳥越陸矢, 横尾拓樹, 中西 崇, 山中啓太郎, 石原伸明, 塚本修一, 都 鐘智, 浦上 聡, 児玉貴之, 西尾真理, 重岡 学, 狛雄一朗, 掛地吉弘, 横崎 宏
Organizer
第34回日本消化器癌発生学会総会
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