2022 Fiscal Year Research-status Report
ウイルス感染が誘導する代謝リプログラミングに対するDrs遺伝子の作用
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22K07002
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
旦部 幸博 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (50283560)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 代謝リプログラミング / ウイルス / 病原体宿主関係 / Drs遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウイルス感染が誘導する代謝リプログラミングに対するDrs遺伝子の作用について検討するため、我々はまずウイルス増殖が亢進するDrsノックアウト(KO)細胞と、正常(WT)細胞における糖・アミノ酸・脂質等の代謝についての解析を行った。KO細胞においては、我々が以前明らかにした解糖系制御因子であるPDK4やLDHBだけでなく、脂質代謝の調節に関わることが知られているCPT-Iの発現亢進、ならびにACLYのリン酸化の顕著な抑制が認められた。このことから、Drs KO細胞においてはWT細胞に比べて解糖系が亢進する一方で、de novo脂肪酸合成が抑制される可能性が示唆された。一方で我々は、膵臓癌細胞株を用いた実験から、PDK4の選択的阻害剤であるクリプトタンシノンが、KRASの抑制を介して脂肪酸合成を抑制することを見出している。Drs KO/WT細胞はマウス線維芽細胞由来であり、これまで我々が検討してきた癌細胞とは糖・脂質代謝関連分子の働きが異なる可能性が考えられたため、感染実験を行うに先立って、PDK4等に対するsiRNAの導入系を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
怪我(右手首骨折, 2022.11-2023.2)のため。もともと2022-2023年度には研究棟の改修工事が予定されており、前期は本務校での集中講義があったため、仮移転期間(2022.11-)中に主たる実験を行う予定であった。しかし、仮移転の作業中に踏み台から落下・転倒して利腕を骨折し、当初の計画通り実験を行うことができなくなった。特にウイルス感染実験については、本移転(2023.5)後にP2実験室の届出変更の必要があることから実施困難と判断し、実験計画を大きく見直した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果から、細胞株自体による代謝状態の違いがウイルス感染に与える影響の大きさがうかがわれたため、感染実験に適した細胞株の検討や樹立を合わせて、実験を進めることを新たに計画している。対応策としては、Drs KO/WT細胞に対して特定の代謝関連遺伝子のみをsiRNAを用いて抑制した細胞株や、ウイルス感染実験に頻用されている細胞株(Vero細胞やCOS細胞)にDrs遺伝子を導入した細胞株を樹立。Drsによる代謝状態の変化について解析を行う。 これと並行して、当初計画していたウイルス感染実験を進める。実験に使用するウイルス種(HSV, VSVなど)を選別し、上記で検討した細胞株に感染させたときの代謝状態の変化の解析を行う。
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Causes of Carryover |
研究代表者の怪我(右手首骨折、2022.11-2023.2)により、実験を行うことができず、当初計画していた物品費が使えなかった。
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Research Products
(1 results)