2022 Fiscal Year Research-status Report
内因性危険シグナルHMGB1誘導性組織再生における骨髄間葉系幹細胞活性化機構解明
Project/Area Number |
22K07022
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐賀 公太郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授(常勤) (00563389)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉井 克人 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座教授 (20236730)
新保 敬史 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授(常勤) (70780609)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | ノックアウトライブラリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、内因性危険シグナルであるHMGB1が損傷組織再生を誘導するために骨髄間葉系幹細胞を活性化する分子メカニズムを明らかにすることを目的としている。その目的を達成するために、HMGB1受容体欠損の骨髄間葉系幹細胞のみが生存可能なシステムを構築し、遺伝子網羅的なノックアウトライブラリーを用いることで、HMGB1が骨髄間葉系幹細胞を活性化するための新規受容体を同定し、その活性化シグナル伝達経路を明らかにすることを目指す。本研究では骨髄間葉系幹細胞のノックアウトライブラリーを作製する予定であり、そのためには骨髄間葉系幹細胞にCas9を強制発現させる必要がある。Cas9強制発現骨髄間葉系幹細胞を作製するために、ネオマイシン耐性遺伝子が共発現する Cas9発現ベクターを作製した。マウス骨髄間葉系幹細胞に Cas9発現ベクターを導入し、G418添加で選別することで Cas9強制発現骨髄間葉系幹細胞の作製に成功した。また、遺伝子網羅的なガイドRNA発現レンチウイルスベクターライブラリーを作製するために、そのガイドRNA発現レンチウイルスベクタープラスミドのライブラリースケールを維持したままで増幅する必要がある。大腸菌に電気穿孔法でプラスミドを導入し、寒天培地でコロニーを形成させ、すべてのコロニーからプラスミドを精製することで、ライブラリースケールを維持したガイドRNA発現レンチウイルスベクターのプラスミドライブラリーの増幅に成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子ノックアウトライブラリー作製のためのCas9強制発現骨髄間葉系幹細胞の作製に成功し、かつガイドRNA発現レンチウイルスベクターのプラスミドライブラリーの増幅に成功しているので、概ね順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はガイドRNA発現レンチウイルスベクターのプラスミドライブラリーをレンチウイルス産生用の293FT細胞に導入することで、ガイドRNA発現レンチウイルスベクターライブラリーを作製する。そして、ガイドRNA発現レンチウイルスベクターライブラリーをCas9強制発現骨髄間葉系幹細胞に感染させることで、骨髄間葉系幹細胞のノックアウトライブラリーを作製する。骨髄間葉系幹細胞ノックアウトライブラリーにHMGB1(Abox)‐ジフテリアトキシン融合タンパク質を添加し、生存細胞における欠損遺伝子を検出することで、骨髄間葉系幹細胞のHMGB1 刺激に重要な遺伝子を明らかにする。
|