2022 Fiscal Year Research-status Report
Regulatory mechanisms of gastric cancer based on leptin signaling in mice
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22K07027
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
稲垣 匡子 県立広島大学, 生物資源科学部, 教授 (70363588)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | レプチン / 胃がん / 胃内細菌 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
胃癌は、本邦で毎年約5万人が死亡する疾患である。その最大要因は、ヘリコバクタ -・ピロリ菌の持続感染と考えられているが、ピロリ菌感染者のわずか数%しか胃癌発症に 至っていない。また、除菌治療の普及により劇的に感染率は低下したが、 除菌後の再発やピロリ菌陰性胃癌患者の増加が深刻な課題となっている。さらに、肥満が胃がんの新たな原因として注目されている。 そこで、令和4年度は、胃がん促進(T3b- SOCS3-/-)及び抑制(T3b-(SOCS3-/-LepR-/-))マウスの胃粘膜組織を用い、遺伝子発現網羅的解析と評価を行うために、RNA-seqとメチル化解析を行った。発がん初期とがん進展期で、共通あるいは相違の遺伝子群を見出し、それらの発現を定量的PCR法で確認した。 さらに、コントロールマウスと比較し、T3b- SOCS3-/-マウスでは、胃内細菌叢はLactobacullus 属が優勢になり、T3b-(SOCS3-/-LepR-/-)マウスでは野生型マウスレベルに減少した。 これらの結果は、次年度の解析に重要な「胃癌促進・抑制に おける免疫応答」の基盤情報となりうることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記2種類のモデルマウスを用い、レプチンシグナル による「胃粘膜上皮細胞及び胃内細菌叢の変調」を解析することが目的であった。それらは概ね達成された。
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Strategy for Future Research Activity |
我々はこれまでに、野生型マウスに高脂肪食摂取により胃の前がん病態である腸上皮化生を発生すること、それが胃レプチンシグナルに依存することを発表してきた。そこで令和5年度では、高脂肪食がLepR依存的発癌に与える影響を明らかにするため、離乳直後の野生型、T3b- SOCS3-/-、T3b-(SOCS3-/-LepR-/-)マウスに高脂肪食を摂取させ、令和4年度と同様の解析を行う。
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Causes of Carryover |
令和4年度で目的とする基本データを取得することができた。それ以上に解析をするためには、マウスの匹数が足りなかった。そのためマウスを十分繁殖させ、次年度への解析に備えようと考えた。
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Research Products
(4 results)