2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K07049
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
下川 周子 国立感染症研究所, 寄生動物部, 室長 (60708569)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アニサキス症 / アレルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
アニサキスはクジラなど海棲哺乳類に寄生する寄生虫であり、その幼虫は魚介類に寄生している。ヒトはアニサキス幼虫が寄生する魚を生食すると腹痛や下痢、嘔吐などのアニサキス症を引き起こす。レセプト解析によると、我が国のアニサキス食中毒の患者は年間7000人以上と推計されており、2016年〜2020年までの食中毒件数は、ノロウイルス、カンピロバクターを抜いて第1位となった。急性腹症として開腹手術を要する激しい症状を起こすヒトもいる一方で、胃内視鏡検査でアニサキスがいるにも関わらず症状を示さないヒトもいる。また、魚の生食をしないヨーロッパでアニサキスがアレルギーを起こす病原体として知られていることから、我が国におけるアニサキス症がIgE抗体を介した1型アレルギーの側面を持っていることが示唆される。今年度は、まずアレルギーとしてのアニサキス症のマウスモデルを作成した。さらに、そのモデルマウスを用いて胃内細菌叢と免疫応答を詳細に解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
一番の目的であったアレルギーとしてのアニサキス症のモデルマウスの作成に成功した。 このマウスを用いることで次年度の目的であった免疫応答を解析することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスモデルが完成しているので、今後はより詳細な免疫応答や胃内細菌叢の解析を行う。
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Causes of Carryover |
想定していた結果ではなかったため、実験計画を変更した。
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