2022 Fiscal Year Research-status Report
宿主持続感染を可能にするレプトスピラ遺伝子ネットワークの解明
Project/Area Number |
22K07062
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
小泉 信夫 国立感染症研究所, 細菌第一部, 主任研究官 (10333361)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | レプトスピラ / レプトスピラ症 / 人獣共通感染症 / 持続感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
人獣共通感染症であるレプトスピラ症の病原体レプトスピラは,ラットなどの宿主動物の腎臓に持続感染しているが,持続感染の成立に必須のレプトスピラ因子はほとんど明らかになっていない.本研究では,遺伝子発現調節や生理的プロセス制御に関わるシグマ因子遺伝子およびホスファターゼ遺伝子のトランスポゾン挿入変異体において,感染時に発現変動がみられる遺伝子・リン酸化の変動がみられるタンパク質をコードする遺伝子のノックアウト株を作製して感染性を明らかにし,各種のin vitro実験を行いそれら遺伝子産物の機能を明らかにすることで,宿主持続感染に必須のレプトスピラ遺伝子ネットワークを読み解くことを目的とする. 各変異体を同数のコントロール株とともにラットWKAH/Hkmメス6週齢に腹腔内接種し,3日後に採血し血液を希釈してEMJHプレート培養を行ったところ,両変異体とも純培養ではなくコンタミネーションしていうことが明らかとなった.そのため,変異体のストックをプレート培養および限界希釈法によって目的とする変異体のクローニングを行い,限界希釈法によって両変異体の純培養を得ることができた.これら変異体のトランスポゾン挿入位置をターゲットとして,変異体およびコントロール株のリアルタイムPCRによるゲノム定量試験系を確立した.またin vitroでの増殖速度を調査した結果,変異株の増殖速度はコントロール株と変わらないことが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
解析を行う予定だった変異体が純培養ではなくコンタミネーションしていることが明らかとなり,クローニングおよび動物実験を行うための基礎データを取り直すのに時間を要してしまった.
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Strategy for Future Research Activity |
トランスポゾン挿入変異体培養液を透析チューブに入れ,これをラットWKAH/Hkm腹腔内に移植する1.経時的に透析チューブを回収し,レプトスピラからRNAを抽出,rRNA除去後にcDNAライブラリーを作製して次世代シーケンサー(MiSeq)により解読する(RNA-seq).得られた配列を参照ゲノムへのアライメントを通して,野生株と変異株で発現変動のある遺伝子を同定する.
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Causes of Carryover |
予備実験に時間を要してしまい予定した実験を実施することができなかったため.また,年度末納品等にかかる支払いが,令和5年4月1日以降となったため.当該支出分については次年度の実支出額に計上予定である.
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Research Products
(2 results)