2022 Fiscal Year Research-status Report
新興病原体エリザベスキンギア菌によるマクロファージ成熟抑制現象の解明
Project/Area Number |
22K07069
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
後藤 和義 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (20626593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 憲治 岡山大学, 保健学域, 教授 (00243460)
中山 真彰 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (10579105)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 新興感染症 / M1マクロファージ / Elizabethkingia / SREBP-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
エリザベスキンギア菌(Elizabethkingia anophelis)は2013年にヒトへの感染が報告された新興病原体である。海外では大規模アウトブレイクが報告されており今後注意が必要な菌種と考えられる。申請者らは、エリザベスキンギア菌がマクロファージ細胞株のM1型への分化を抑制する現象を発見した。M1型マクロファージは炎症誘導、抗原提示に特化したいわば感染症対応型であるため、エリザベスキンギア菌感染症では正常な免疫応答が起こらない可能性が考えられる。本研究課題では、本菌のマクロファージ分化抑制メカニズムを細菌側因子と宿主側因子の両側面から明らかにする。さらには、動物モデルにおいて宿主免疫応答の抑制を観察する。本研究はエリザベスキンギア菌感染の全容解明の一端を担うと考えられる。 2022年度の計画は、(1)E. anophelis感染によって起こるSREBP-1の発現抑制が、タンパク質レベルで起こっているか確認するため、LPS刺激ウェスタブロットでタンパク量を評価する。(2)SREBP-1抑制単独でE. anophelis感染によるCD86発現抑制が起こるかどうか確認するため、siRNAによるノックダウンによりE. anophelisによるCD86発現抑制がSREBP-1の過剰発現で回復するかどうか確認する。の2点であった。このうち、(1)に関しては、THP-1細胞を用いてE. anophelis感染時のSREBP-1タンパク質の発現増加を確認できた。(2)に関しては、SREBP-1の過剰発現系、およびsi-RNAノックダウン系の構築を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SREBP-1の過剰発現系、およびsi-RNAノックダウン系の構築実験の実施がやや遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者と密に協力し、2022年度に完了予定であった、SREBP-1の過剰発現系、およびsi-RNAノックダウン系の構築を上半期中に完了させる予定である。さらに2023年度に当初計画していたSREBP-1レポーターアッセイ系を用いたE. anophelisトランソポゾンライブラリの評価については、予定どおり実施していく。トランスポゾンライブラリの実験に関しては2022年度中に予備的結果を得ており、2023年度も継続して行うことができる。
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Causes of Carryover |
研究遂行上、2023年度にSREBP-1の過剰発現系の実験を実施することとなり、必要な費用等に充当する。
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