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2023 Fiscal Year Research-status Report

液-液相分離による分子濃縮から解き明かすパラミクソウイルスの増殖機構

Research Project

Project/Area Number 22K07108
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

加藤 大志  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (80711712)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsムンプスウイルス / パラミクソウイルス / 液-液相分離 / 封入体 / RNA合成
Outline of Annual Research Achievements

液-液相分離(LLPS)と呼ばれる分子濃縮が、細胞の様々な生理機能に関わっていることが近年明らかになってきた。LLPSは、必要なタンパク質や核酸を選択的かつ局所的に濃縮することで、それぞれの化学反応を効率的に進める働きがある。ウイルスもまた、細胞内で効率よく増殖するために、LLPSを利用すると考えられるが、まだ十分に研究は進んでいない。本申請課題では、医学・獣医学上重要な病原体が数多く含まれるパラミクソウイルスの増殖機構をLLPSによる分子濃縮の観点から明らかにし、パラミクソウイルス感染症の治療薬開発につなげることを目的とする。
今年度は代表的なパラミクソウイルスであるムンプスウイルス(MuV)の増殖過程の中で、RNA合成過程に焦点を当てた。MuVのRNA合成はLLPSによって形成される封入体を呼ばれる領域で行われる。そこで、Photo-isolation chemistryを用いて、MuVの封入体にリクルートされるRNAを網羅的に同定した。その結果、MuVの封入体にはGC含量が高いRNAが動員される傾向にあり、特にグアニン四重鎖構造(G4 motif)を有するRNAが多く検出された。そこで精製Pタンパク質を用いたin vitro LLPS assayによって、その重要を解析したところ、G4 motifを有するRNA存在下では、Pタンパク質によって形成される液滴の濃縮度が高まることが明らかになった。以上の結果より、G4 motifを有する宿主のRNAが、LLPSによる分子濃縮を亢進させることで、MuVの封入体形成において重要な機能な役割を果たすことが明らかにすることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ムンプスウイルスのRNA合成の場である封入体にリクルートされる宿主RNAの解析を実施し、封入体形成機構の一端を明らかにしつつある。令和6年度中に学術誌への掲載を目指している。

Strategy for Future Research Activity

ムンプスウイルスの封入体における宿主RNAの特徴と機能解析に関する論文をまとめると共に、宿主タンパク質の機能解析を進める。

Causes of Carryover

令和5年度に計画していた研究については概ね計画通り実施した。しかしながら、研究の遅れがあった令和4年度分までは実施できなかったため、その分については最終年度にさらに繰り越して使用する。遅れている研究計画については早急に実施する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2023

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] ムンプスウイルスエンベロープタンパク質が引き起こす細胞膜融合に必要な宿主因子の探2023

    • Author(s)
      本間悠太、加藤大志、加藤文博、竹田誠、山地俊之
    • Organizer
      第70回日本ウイルス学会学術集会
  • [Presentation] ムンプスウイルスワクチン株における神経病原性に関わるウイルス側因子の同定2023

    • Author(s)
      加藤文博、網康至、米満研三、須崎百合子、裴彩元、若田愛加、加藤大志、竹田誠、梁明秀、木所稔
    • Organizer
      第70回日本ウイルス学会学術集会

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Published: 2024-12-25  

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