2022 Fiscal Year Research-status Report
T前駆細胞由来樹状細胞は制御性T細胞の生成を介し自己免疫寛容の構築に寄与するか
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22K07113
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
和田 はるか 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (70392181)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | T前駆細胞 / 樹状細胞 / 制御性T細胞 / T細胞選択 / T細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
胸腺はT細胞が分化成熟する場である。胸腺組織はT前駆細胞だけでなく、胸腺上皮細胞(TEC)や樹状細胞(DC)等も存在し、それらはT細胞の分化成熟に関与する。T前駆細胞は、胸腺内で正の選択(自己細胞に適度に反応できる細胞が選ばれる)と負の選択(自己細胞に過剰に反応する細胞が死滅する)を経て自己に寛容で適切に異物に反応しうるT細胞のみが選択され末梢に移出される。 胸腺における免疫寛容構築の機序として、T細胞の負の選択、制御性T細胞の生成が挙げられる。申請者らはこれまでにT前駆細胞由来樹状細胞(ptDC)は負の選択に寄与していることを明らかにした。本研究ではptDCが制御性T細胞の生成を誘導し、免疫寛容構築に寄与するかを解析したい。 申請者は、ptDCは独特な分化経路を経て生成することから、cirDCとは異なり何らかの特有の機能・存在意義を有しているのではないかと着想した。ptDCの特徴を明らかにする目的でsingle cell RNA sequence解析を実施した。ptDCを循環血に由来するDC(cirDC)同定するため、以下のマウスモデルを考案・作製した。B6マウス(CD45.2を発現、H-2b)をレシピエントとし、hCD3e Tgマウス(T前駆細胞を欠損、CD45.2を発現、H-2k)とCD45.1-B6マウス(CD45.1を発現するコンジェニックマウス、H-2b。骨髄移植の影響を考慮するため、レシピエントとは異なるマーカーをもつB6を利用)の骨髄を混合して移植した。尚、この三者の血液細胞は、CD45.1/CD45.2、H-2b/H-2kの発現で区別可能である。骨髄移植後、定常状態となったところで、レシピエント胸腺から胸腺内DCを回収し、Single cell RNA sequence解析を実施した。 この解析により、ptDCを同定し、現在ptDCの生物学的特徴を解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
ptDCの生物学的特徴を解析する。 作製した血液キメラマウスモデル系およびIn vitro実験系にて、Tregの新規生成についてフローサイトメトリーで解析する。
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Causes of Carryover |
消耗品類が予定より安く購入できたため。 次年度に(価格が高騰している)抗体の購入に充てる。
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Research Products
(1 results)