2022 Fiscal Year Research-status Report
SARS-CoV-2ワクチン接種による自己免疫疾患の増悪と、メカニズム解明
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22K07123
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大重 達寛 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (20938071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 泰 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (50626380)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | SARS-CoV-2ワクチン / COVID-19 / 自己免疫疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
ワクチン接種後に自己免疫疾患の増悪を来した症例を追跡し、SARS-CoV-2ワクチンの自己免疫疾患に与える影響を明確にする。主に血液検体から、サイトカインプロファイルや自己抗体の測定を行い、末梢血細胞をCyTOFシステムを用いたマスサイトメトリーなどの解析手法、免疫細胞の単一細胞RNAシーケンシングを行い、ワクチンによる惹起された病的な細胞サブセット、遺伝子発現、分子シグネチャーを同定、臨床情報と統合し、最終的に自己免疫疾患増悪の機序、病態の解明を目指した。1年目では、我々が持つコホートの整理を行い、関節リウマチ、および全身性エリテマトーデス患者において、疾患活動性の変化をワクチン前後で比較したところ、患者群全体としての活動性変化はなかったものの、ワクチン接種前の疾患活動性が高い患者において、ワクチン接種後の再年率が高いことが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SARS-CoV-2ワクチンを接種した自己免疫疾患患者コホートは確立しており、3回目までのワクチン接種患者採血は確保してあるため、解析の準備は整っており、また本年度の基礎的解析により、疾患活動性などのパラメータも入手できたため、順調に計画は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
SARS-CoV-2ワクチンによって、背景疾患が増悪した患者を追跡し、末梢血を採取し、血清はサイトカイン(ビーズアレイ、もしくはELISAなど)、自己抗体をELISAもしくは、免疫沈降法で検索する。末梢血細胞はCyTOFシステムを用いたマスサイトメトリーによる詳細な細胞サブセット解析、シングルセルのRNAシーケンシングによる遺伝子発現解析を中心として、年齢・性別などを一致させた、同一の背景疾患患者で、ワクチン後に増悪が無かった症例と比較検討を行う。
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Causes of Carryover |
本年は大規模な物品購入がなかったため上記となった。当科研究室もしくは、共同研究室にて使用可能な機器が既にあったため、それを利用している。結果的に試薬などの出費で「その他」に計上される費用が予定よりも上回った形となった。本年度はFACS抗体を含む研究に関わる消耗品の経費や、関連学会の参加費用、その他の論文校正、投稿費用などの雑費を計上している。
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