2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the control of HTLV-1 infection using a non-human primate model
Project/Area Number |
22K07127
|
Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
浦野 恵美子 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター, 主任研究員 (40794988)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 勇悦 琉球大学, 医学部, 産学官連携研究員 (30163588)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | HTLV-1 / 霊長類モデル / 感染制御 / 抗体医薬 / 防御システム |
Outline of Annual Research Achievements |
日本におけるHTLV-1感染者数は先進国では最も多くおよそ100万人と推定され、この数は世界の感染者の約5-10%を占める。その約5%が悪性の成人T細胞白血病(ATL)やHTLV-1関連脊髄症(HAM)を発症するリスクを背負っているが、その発症機序に関しては不明な点が多く、適切な動物モデルによる生体内における実験的な検証も不十分である。この背景に、HTLV-1の感染をシュミレーションできる適切な動物モデルがなかったことが挙げられる。申請者らは、霊長類カニクイザルを用いたHTLV-1感染モデルの応用が一番であると考え、継続的な研究により、HTLV-1感染カニクイザルモデルの確立に成功した。さらに、感染経路や免疫細胞の調節により高ウイルス量(PVL)となることをサルモデルを用いて示し、霊長類モデルにおいても宿主免疫とウイルス制御の関連が強く示唆された(Urano et al., JVI. 2022)。 本研究では、HTLV-1感染カニクイザルモデルを用いてHTLV-1を制御する免疫機構を明らかにすることを目的とし、将来のワクチンや免疫療法の開発に繋げることである。当該年度は高PVLキャリアザル、低PVLキャリアザルの末梢血サンプルを用いて継時的な解析を進めるとともに、ウイルス特異的免疫解析評価系を確立するため、カニクイザルの細胞株を複数樹立した。また、抗HTLV-1ヒト化単クローン抗体の受動免疫による感染予防効果が認められ、抗体医薬品および評価系として霊長類モデルの有用性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HTLV-1k感染カニクイザルの末梢血サンプルを用いて継時的な解析を進め、ウイルス特異的免疫解析に用いるカニクイザルの細胞株を複数樹立した。抗HTLV-1ヒト化単クローン抗体の受動免疫による感染予防効果が認められた。
|
Strategy for Future Research Activity |
継続して、HTLV-1感染カニクイザルの解析を進めるとともに、ウイルス特異的免疫解析評価系を確立し、ウイルス量と宿主免疫との関連を精査する。
|
Causes of Carryover |
次年度においては免疫学的評価を進める予定であり、試薬等の購入ため一部を次年度に繰越した。
|