2023 Fiscal Year Research-status Report
The roles of pleural adipose tissue-derived factors in the regulation of innate B-cell niche and airway immune responses
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22K07134
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
新庄 記子 京都大学, 高等研究院, 特定研究員 (60794039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 泰賢 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授(常勤) (50522124)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 気道上皮細胞 / アルデヒド / 繊毛 / 肺炎 / 粘液繊毛浄化 |
Outline of Annual Research Achievements |
気道免疫制御の解析に並行して行なっていた、気道上皮細胞障害と修復機構の解析において進展が見られたので重点的に解析を進めた。 大気汚染物質(特にPM2.5)への曝露が喘息、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など様々な呼吸器疾患悪化の要因となることは知られているが、そのメカニズムは明らかでない。大多数が大気汚染に晒される現在、そのメカニズムを理解することは新たな治療法の開発に向けて重要である。そこでPM2.5が酸化ストレスを誘導する事に着目し、酸化ストレス防御に係るアルデヒド脱水素酵素(ALDH)がPM2.5による気道上皮細胞損傷に対する耐性において果たす役割を解析した。 PM2.5の主要成分である多環芳香族炭化水素の1つであるナフタレンによるマウス気道上皮障害モデルにおいて野生型とALDH欠損マウスを比較したところ、ALDH欠損マウス(in vivo)およびALDH欠損マウス気道から単離した上皮細胞培養系(in vitro)において気道繊毛の修復異常が見られた。また、これらのマウスにおいて気道繊毛の役割である粘液輸送(粘液繊毛浄化)機能が低下することをin vivo およびex vivoにおいて確認し、大気汚染物質曝露による気道障害において、ALDH欠損が酸化ストレスに伴うアルデヒドの蓄積により繊毛の修復異常を来たし、その結果、気道浄化機能の低下を引き起こすことが示唆された。さらに、肺炎連鎖球菌感染モデルにおいてナフタレンに曝露したALDH欠損マウスは高い致死率を示した。これらの結果はALDHが、酸化ストレスに付随するアルデヒドの蓄積を防ぐことで、大気汚染に対する呼吸器防御に主要な役割を果たすことを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画であったアディポカインによる気道免疫応答制御機構の解析は、実験動物(マウス)の確保等の事情により遅れている。一方、同時に進めているALDH欠損マウスにおける気道上皮損傷・修復機構の解析において顕著な進展が見られたため当該研究を重点的に進めた。 in vivo および in vitroの系を利用し、ALDH欠損が気道上皮のストレス応答が重要な役割を果たすことを示す結果について、現在論文投稿準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画とは若干方向性が異なるものの、ALDHが気道上皮において果たす役割の解明は呼吸器の防御における重要な知見となると期待されるため、本研究をさらに進める予定である。具体的には薬剤によるALDHの活性化が気道防御にもたらす効果を、上皮の培養系およびマウスモデルにおける上皮修復過程および感染に対する抵抗性に注目して解析したい。当初の計画であった脂質メディエータによる気道免疫応答制御機構の解析も、同時に進める予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進行状況および前年度からの繰越金等の理由により、今年度は予定よりも使用額が少なかった。次年度の実行予定の研究に必要な経費は当初の計画よりも大きくなると予想されるため、残額を当てる予定である。
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Research Products
(2 results)