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2022 Fiscal Year Research-status Report

Development of a breast cancer preventive treatment targeting the nutritional environment of fetal stage

Research Project

Project/Area Number 22K07152
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

岡田 宣宏  岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 助教 (60742377)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
KeywordsDOHaD / 乳がん / 脂質代謝
Outline of Annual Research Achievements

乳がんは30歳代から増加し、40-50歳代で最多になる、若く働き盛りの女性を襲う病気である。そのため、女性の活躍が求められる現代社会において、乳がんの予防的先制医療の実現は重要な課題である。将来の疾患発症リスクが、胎児期環境による影響を強く受けるというDOHaD理論が提唱されている。乳がんにおいても、妊娠前期の栄養環境が、子供の将来の乳がん発症リスクに影響を与えることが、コホート研究により明らかにされている。しかし、その詳細なメカニズムについては不明である。我々は、これまでの研究により、乳がんの悪性化進展には脂質からのエネルギー獲得が重要であることを明らかにしているため、妊娠前期での脂質摂取量が重要であると考えている。本研究では、妊娠前期での脂質摂取量が、子供の乳がん発症リスクに影響を与えるメカニズムを明らかにし、栄養環境の改善による予防的先制医療確立の基盤構築を目指す。
我々は、妊娠前期での脂質摂取量が子供の乳がん発症リスクに影響を与えるか検討するために、乳がんモデルマウスMMTV-PyMTマウスを交配させ、妊娠前期において高脂肪飼料を摂取させた。その結果、通常飼料で飼育した母マウスから産まれた仔マウスに比べ、妊娠前期を高脂肪飼料で飼育した母マウスから産まれた仔マウスで乳がん発症が低下していることが明らかとなった。さらに、妊娠前期における脂質摂取量による子供の乳がん発症リスクの違いは、遺伝子のエピゲノム修飾が関与していると考え、乳腺上皮細胞からゲノムDNAを抽出し、メチル化アレイによる網羅的解析を行った。その結果、妊娠前期を高脂肪飼料で飼育した母マウスから産まれた仔マウスで優位にメチル化状態の異なるパスウェイを同定した。今後、同定したパスウェイの詳細な解析を進め、妊娠前期における脂質摂取量が乳がん発症リスクを変動させるメカニズムを明らかにする。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

妊娠前期における母親の脂質摂取量が、子供の乳がん発症リスクに影響を与えることをin vivoマウスモデルを用いた実験により、明らかにすることができた。さらに、メチル化アレイによる網羅的解析により、妊娠前期を高脂肪飼料で飼育した母マウスから産まれた仔マウスで優位にメチル化状態の異なるパスウェイを同定することができた。今後、同定したパスウェイの詳細な解析により、妊娠前期における脂質摂取量が子供の乳がん発症リスクを変動させるメカニズムを明らかにすることができると期待している。また、当初予定していた脂質代謝との関連については、まだ明らかにできていないが、同定したパスウェイの解析を通して、今後明らかにしていく予定である。以上のように現在まではおおむね順調に進展しているといえる。

Strategy for Future Research Activity

今年度の研究により、妊娠前期を高脂肪飼料で飼育した母マウスから産まれた仔マウスで優位にメチル化状態の異なるパスウェイを同定することができたので、今後、同定したパスウェイの詳細な解析により、妊娠前期における脂質摂取量が子供の乳がん発症リスクを変動させるメカニズムを明らかにする。また、同定したパスウェイ中には、脂質代謝の関与が報告されているものもあり、外来脂質および脂質代謝との関連も調べていく予定である。さらに、妊娠前期の脂質摂取量により変化する脂肪酸を同定し、in vitroおよびin vivoモデルを用いた検討を行うことで、乳がん予防における効果の検討を行う。

Causes of Carryover

当初の計画では、妊娠前期における脂質摂取量により、子供の脂質代謝が変化すると考え、脂質代謝の解析を行うことを計画していた。しかし、メチル化アレイによる網羅的メチル化解析により、重要なパスウェイを同定できたため、そちらの解析を優先的に行うことにより当初の予定より研究費を抑えることができた。同定したパスウェイ中には、脂質代謝の関与が報告されているものもある。そのため、次年度に脂質代謝の解析を行う予定であり、そちらの費用に繰り越した。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022

All Journal Article (2 results) (of which Open Access: 2 results,  Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] NFYA promotes the malignant behavior of triple-negative breast cancer through the regulation of lipid metabolism2022

    • Author(s)
      Okada Nobuhiro、Ueki Chihiro、Shimazaki Masahiro、Tsujimoto Goki、Kohno Susumu、Muranaka Hayato、Yoshikawa Kiyotsugu、Takahashi Chiaki
    • Journal Title

      bioRxiv

      Volume: - Pages: -

    • DOI

      10.1101/2022.05.26.493660

    • Open Access
  • [Journal Article] NFYA promotes the anti-tumor effects of gluconeogenesis in hepatocellular carcinoma through the regulation of PCK1 expression2022

    • Author(s)
      Tsujimoto Goki、Ito Rin、Yoshikawa Kei、Ueki Chihiro、Okada Nobuhiro
    • Journal Title

      Frontiers in Cell and Developmental Biology

      Volume: 10 Pages: -

    • DOI

      10.3389/fcell.2022.983599

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] NFYAによる糖新生促進が引き起こす抗腫瘍効果の検討2022

    • Author(s)
      吉川慧、岡田宣宏
    • Organizer
      日本生物工学会西日本支部大会2022

URL: 

Published: 2023-12-25  

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