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2023 Fiscal Year Research-status Report

フェロトーシス誘導に対して脆弱性を示す悪性中皮腫の分子基盤の解明

Research Project

Project/Area Number 22K07162
Research InstitutionAichi Cancer Center Research Institute

Principal Investigator

佐藤 龍洋  愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学分野, 主任研究員 (70547893)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords悪性中皮腫 / フェロトーシス
Outline of Annual Research Achievements

悪性中皮腫は多様な遺伝子発現パターンを示し、遺伝子変異に対して有効な個別化治療薬はいまだ存在しない。近年、免疫チェックポイント阻害剤が有効であることが報告されたが、6割以上の患者に対しては著効を示さず、現在も治療薬の開発が続けられている。申請者らは正常中皮細胞と比較してフェロトーシスの誘導に対して細胞死を引き起こしやすいことを見出してきた。患者より樹立した約20種の悪性中皮腫細胞株を用いて抗腫瘍効果についてさらに検討したところ、これらの細胞株はフェロトーシス誘導剤RSL3に対して高感受性を示す細胞株と低感受性を示す細胞株の2群に分けることができることがわかってきた。これまで細胞株ごとの遺伝子変異の違いについて着目してきたが、薬剤感受性との相関がないことがわかり、感受性を規定する分子機構についてはいまだ不明な点が多い。しかし、RSL3感受性の異なる細胞株群で遺伝子発現差異解析を行った結果、感受性の違う細胞間で有意に発現量が異なる遺伝子を複数同定することに成功した。そこで本年度は、これらのうち主要な遺伝子に対してノックダウンを行い、各遺伝子がフェロトーシス細胞死に対する感受性に関与する可能性を検討した。その結果、特定の遺伝子ノックダウンによって高感受性株のRSL3感受性が低下することが分かった。しかし、この効果は一部の細胞株のみで有効であり、フェロトーシス易誘導性を規定する分子基盤についてはさらに検討が必要とされた。フェロトーシスによる細胞死の原因の一つとして過酸化脂質の蓄積が知られるが、その蓄積を引き起こす分子基盤は多岐に渡る。現在、フェロトーシスに関連する遺伝子群の発現変化や細胞内代謝産物について解析を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

特定の遺伝子ノックダウンにより、一部細胞株に限定されるが、RSL3感受性に変化が見られた。この結果は、フェロトーシス易誘導性に関する悪性中皮腫細胞内の分子基盤を解明するうえで重要な手がかりとなると考えられる。また、悪性中皮腫細胞株および正常中皮細胞株を用いてフェロトーシス誘導を行い、脂質過酸化に関わるさまざまな遺伝子発現量の発現変動を明らかにしつつある。これと併せて活性酸素種や細胞内脂質の種類の同定も進みつつあり、今後の研究の発展が期待できる。現在、新たなスクリーニングについても準備を進めており、本研究の進行はおおむね順調であるといえる。

Strategy for Future Research Activity

スクリーニングを実施し、フェロトーシスの易誘導性に関わる遺伝子群の同定に取り組む。また同時に、悪性中皮腫細胞および正常中皮細胞を用いてフェロトーシスを誘導し、過酸化脂質の蓄積に強く関連する遺伝子群の発現変動を明らかにする。細胞内代謝の変化として活性酸素種や細胞内シスチン取り込み量、還元型グルタチオン量を測定し、これらの結果を併せて中皮腫細胞株におけるフェロトーシス易誘導性の分子基盤の解明を目指す。

Causes of Carryover

ノックアウトスクリーニングのサンプル作製がうまくいかず、次世代シークエンスの受託解析が次年度にまたがったため。現在プロトコルの見直しをほとんど終えており、受託解析がすでに開始されている。この解析費用と、得られた結果から選別された遺伝子の発現量解析および特異的抗体の購入に研究費を使用する計画である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Sensitivity and resistance to TEAD inhibitor K-975 in mesothelioma cells with alterations in Hippo pathway-related genes2023

    • Author(s)
      Tatsuhiro Sato, Ken Akao, Lisa Kondo-Ida, Emi Mishiro-Sato, Farhana I. Ghani, Satomi Mukai, Yoshitaka Sekido
    • Organizer
      Hippo Signalling in Development, Disease and New Therapies
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2024-12-25  

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