2023 Fiscal Year Research-status Report
エンハンサー領域に着目した肺がんpan-negative症例の統合オミックス解析
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22K07180
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
浅田 健 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 上級研究員 (70773414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜本 隆二 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, チームリーダー (80321800)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肺がん / マルチオミックス解析 / 予後予測因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではゲノム(WESおよびWGS)、エピゲノム(ヒストン修飾およびDNAメチル化)、トランスクリプトーム(遺伝子発現)に臨床情報を統合したマルチオミックス解析を行っている。昨年度に引き続き、日本人肺がん症例でも特にドライバー変異が見つかっていない症例を中心に解析を行った。本年度では、昨年度の研究成果から同定したNotch signalやWnt/b-cateninシグナルに関わる転写コアクティベーターの解析を中心に研究を進めた。なお昨年度ではトランスクリプトーム解析においては遺伝子レベルでの発現検討をおこなったが、今年度はより詳細な解析を指向してアイソフォームレベルでの発現解析を行なった。 転写コアクティベーターの発現と相関・逆相関のある上位15遺伝子をそれぞれ抽出し、予後との関連性を検討したところ、いくつかの遺伝子で発現量に応じて予後予測できることが明らかとなった。 引き続きより精緻な患者層別化を目指し、機械学習(クラスタリング)を含めた解析方法の検討を行い、second-levelのクラスタリングを用いることで、予後に基づく精緻な患者層別化ができることを見出した。 現在は上記結果をもとにさらなる解析を行いつつ、得られた研究成果を論文として投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載した通り、日本人肺がん患者のゲノム・エピゲノム・トランスクリプトーム情報に臨床情報を含めた統合的マルチオミックスから、独自のクラスタリング手法を組み合わせた患者層別化手法を構築した。また予後に関連する遺伝子を複数同定しており、今後は引き続き予後関連遺伝子を中心とした詳細解析を行うことで、がんの本態解明につながる研究成果が得られると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は創薬標的の検討、詳細なシグナルパスウェイ(分子メカニズム)解明を行うとともに、wet実験を用いたバリデーションスタディや動物実験も念頭に日本人肺がんにおけるドライバー変異ネガティブ症例の肺がん発症メカニズムの解明を行う。 また得られた研究成果を学会や論文として報告することも積極的に行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初の見込みよりも順調に研究が進展し、計画よりも少ないコストで研究を進展することができた為。
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[Journal Article] Advances in cancer DNA methylation analysis with methPLIER: use of non-negative matrix factorization and knowledge-based constraints to enhance biological interpretability2023
Author(s)
Takasawa K, Asada K, Kaneko S, Shiraishi K, Machino H, Takahashi S, Shinkai N, Kouno N, Kobayashi K, Komatsu M, Mizuno T, Okubo Y, Mukai M, Yoshida T, Yoshida Y, Horinouchi H, Watanabe S, Ohe Y, Yatabe Y, Kohno T, Hamamoto R
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Journal Title
Experimental and Molecular Medicine
Volume: 56
Pages: 646-655
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Integrated multi-omics analysis using WGS, ChIP-seq, and RNA-seq data for pan-negative lung adenocarcinoma2023
Author(s)
Ken Asada, Syuzo Kaneko, Ken Takasawa, Kouya Shiraishi, Hidehito Horinouchi, Yukihide Yoshida, Masami Mukai, Norio Shinkai, Yasushi Yatabe, Takashi Kohno, Ryuji Hamamoto
Organizer
第82回日本癌学会学術総会、インターナショナルセッション 口頭発表(英語) (2023.9.21 Yokohama)
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