2022 Fiscal Year Research-status Report
肝臓におけるタンパク質フコシル化異常による疾患発症機構の解明
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22K07181
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
田端 祐子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 特任研究員 (90911967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 理恵子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 独立ユニット長 (70356252)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | N型糖鎖 / フコシル化 / FUCA1 |
Outline of Annual Research Achievements |
N型糖鎖の根元のGlcNAcに結合したフコースをコアフコースと呼ぶ。コアフコースの増加ががん化促進に寄与することや、コアフコースを除去するフコシダーゼをコードするFUCA1遺伝子に異常があるとフコシドーシスという希少疾患を発症することが知られている。我々のこれまでのがん抑制遺伝子p53の研究から、FUCA1遺伝子がp53の下流で働き、がん化を抑制することが明らかになっている。しかし、FUCA1がどのようなタンパク質のコアフコースを除去することでがん化やフコシドーシスを抑制するのかは未解明である。 本研究では、FUCA1によってコアフコース除去を受けるタンパク質に着目して解析を行い、FUCA1機能喪失とがん・フコシドーシス発症の関連を解明する。フコシドーシス患者では肝臓の肥大が起こることが報告されており、FUCA1は肝肥大制御の一端を担う。また、肝がんではフコシル化が増強しており、がん化促進に寄与する。そこで、本研究では、FUCA1欠損マウスを用い、肝臓に着目して、がん・フコシドーシス発症時に異常なフコシル化が認められるタンパク質を同定する。FUCA1欠損マウスでは、35週齢までにフコシドーシスによる肝臓の肥大が起こるが、この際にフコシル化異常が認められるタンパク質を同定する。また、申請者らが確立した、肝細胞がん・肝内胆管がん・この両者の混合型のマウスモデルを用い、FUCA1欠損に伴ってフコシル化異常が認められるタンパク質を同定する。各疾患特異的なフコシル化タンパク質を同定すると同時に、網羅的な遺伝子発現解析を行う。得られた結果を統合的に解析することで、肝臓におけるタンパク質フコシル化異常による疾患発症機構が解明される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に基づき、研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
より効率よく実験を進めるため、計画を少し変更したため。
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