2023 Fiscal Year Research-status Report
空間的シングルセル解析による大腸がん転移巣を形成するがん微小環境の解明
Project/Area Number |
22K07192
|
Research Institution | 独立行政法人国立病院機構高崎総合医療センター(臨床研究部) |
Principal Investigator |
斉藤 秀幸 独立行政法人国立病院機構高崎総合医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 外科 医師 (10826233)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三森 功士 九州大学, 大学病院, 教授 (50322748)
長山 聡 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (70362499)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 大腸癌遠隔転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸癌における転移巣を形成するがん微小環境を探求する研究計画である。先行研究において見いだした、転移巣での癌免疫疲弊の存在に加え、遺伝子発現制御機構に着目した新たな知見を求めている。 本研究の軸として、エンハンサー活性に着目している。癌原発巣と癌転移巣では遺伝子変異の有無はあまり差がないことは我々の先行研究で明らかにしている。しかしながら癌転移巣は実臨床において往々に原発巣と異なった振る舞いをする。その差異が異常タンパクの生成ではなく、遺伝子発現制御機構にあるとの仮説をもち、遺伝子発現制御に関わるエンハンサーを研究対象と考えた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現段階では、エンハンサーの癌細胞における活性機構を、まず細胞株レベルで解析した。NET-CAGE法という新生鎖RNAを抽出する技術を用いて、計35細胞株のRNA解析を実践した。RNAのうちenhancer RNAのみを抽出するストラテジーを構築し、35細胞株で計99340領域の活性化エンハンサーを同定した。これはこれまで報告のない結果であり、癌におけるエンハンサーの活性化マップと言える。これらの情報を用いて、癌転移巣でのエンハンサー活性を今後評価していく予定である。 大腸癌転移巣臨床検体は保有しているが、組織からのNET-CAGE解析に苦慮しており、進捗が遅れている状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
サンプル数を多く設定し計画を考えていたが、RNA抽出がうまく行かないことが続いている。良質なサンプルにターゲットを絞って、解析を進めていく。
|
Causes of Carryover |
研究進捗の遂行遅延および研究者所属機関の移管に伴い。
|