2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of Novel Therapies Targeting Senescent Stromal Cells
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22K07198
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
羅 智文 公益財団法人がん研究会, がん研究所 細胞老化プロジェクト, 研究員 (40816998)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 細胞老化 / Ferroptosis |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞老化は生体内で働く重要ながん抑制機構である一方で、老化した細胞が炎症性タンパク質などを分泌するSenescence-associated secretory phenotype(SASP)を起こすことで、様々な加齢性疾患が発生する可能性も知られている。申請者は過去に老化した肝星細胞ががん関連線維芽細胞(Cancer-associated fibroblasts: CAFs)として肝がんの発症と進展に関与することを明らかにしてきた。また、最近の研究からは、膵がんのがん微小環境には老化したCAFsが存在し抗がん剤の浸透を妨げることや、抗腫瘍免疫を抑制することが明らかとなっている。申請者は老化CAFsが、プログラムされたネクローシスの一つであるFerroptosisに耐性を獲得しているということを見出した。そのため、本研究は老化したCAFsのFerroptosis耐性の分子メカニズムを解明し、CAFsを標的とした新規膵がんの治療法の開発に繋げることを目指している。今年度において、申請者は老化細胞のFerroptosis耐性の責任因子を同定するために、若い細胞及び老化細胞を用いてFerroptosisを誘導する際のメタボローム解析を行った。この解析により、老化細胞のFerroptosis耐性に関わる代謝経路を同定することに成功した。また、同定した代謝経路に作用する薬剤を若い細胞に投与することで、老化細胞と同様にFerroptosis耐性を引き起こすことに成功した。この結果から、今回同定した代謝経路は老化細胞のFerroptosis耐性に関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者はこれまでの研究から老化CAFsが、プログラムされたネクローシスの一つであるFerroptosisに耐性を獲得しているということを見出した。従って、本研究は老化したCAFsのFerroptosis耐性の分子メカニズムを解明し、CAFsを標的とした新規膵がんの治療法の開発に繋げることを目的している。今年度、申請者は若い細胞及び老化細胞にFerroptosisを誘導する際のメタボローム解析を実施し、Ferroptosis耐性に関与する代謝経路を同定することができた。更に、同定した代謝経路に作用する薬剤を用いて、若い細胞におけるFerroptosisの誘導を阻害することをできた。これにより、同定した代謝経路は老化細胞のFerroptosis耐性に関与している可能性が示唆された。これらの結果は、Ferroptosis耐性の責任遺伝子の更なる同定に繋がるため、非常に重要な解析結果である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は、老化細胞由来の線維芽細胞がFerroptosisに耐性を持つ分子メカニズムを解明し、CAFsを標的とした新たな膵がん治療法の開発につなげることである。今年度、申請者は老化細胞のFerroptosis耐性に関与している代謝経路を同定することに成功した。今後は、この解析結果を基に、Ferroptosis耐性に関与する責任遺伝子をさらに同定する。さらに、同定した代謝経路や細胞死耐性に関与する因子に対して、阻害効果のある低分子化合物を探索し、老化細胞に選択的なFerroptosisを引き起こす薬剤を見つけ出す。また、本研究で得られた成果を生体内で検証するために、老齢の野生マウスや膵がんKPCモデルマウスなどの必要なマウスを用意する。
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