2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research on personalized medicine using miR-4516 and antisense oligonucleotide for treating refractory neuroendocrine cancer
Project/Area Number |
22K07230
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
下條 正仁 大阪大学, 大学院薬学研究科, 特任准教授(常勤) (90591925)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 核酸医薬 / アンチセンス核酸 / miRNA / コンパニオン診断薬 / 個別化医療 / スプライシング制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
小細胞肺がん及び治療抵抗性前立腺がんなどの神経内分泌がんは、スプライシング異常による腫瘍抑制因子RESTの発現低下が関与している。この要因としてスプライシング因子SRRM4の異常発現が報告されている。SRRM4を標的とした抗腫瘍核酸医薬(SRRM4 ASO)は、in vitro及びin vivo実験では効果的な抗腫瘍効果を示しており研究・開発が進められている。SRRM4の異常発現は、SRRM4 mRNAを標的とする細胞内miR-4516の低下が関与し、一方で細胞外にはエキソソームに封入されたmiR-4516が検出されることから、miR-4516は診断マーカーとして考えられている。SRRM4 ASOを投与した小細胞肺がん及び前立腺がん細胞はSRRM4の発現低下とともに、そのスプライシング標的遺伝子RESTのスプライシングを変化させ正常なREST発現を上昇させ、細胞死を誘導した。さらに、SRRM4 ASOを投与した場合、腫瘍細胞内では発現低下しているmiR-4516発現が上昇した。そこで、SRRM4 ASOを導入した細胞内miRNAマイクロアレイ解析の結果、16のmiRNAに2倍以上の発現変化が認められた。2つのmiRNAは減少し、miR-4516を含む14のmiRNAが発現上昇した。また、我々が開発中のRESTスプライシングを直接制御するREST SSOを用いた場合、同じようにmiR-4516の発現上昇を誘導した。本研究の結果、神経内分泌腫瘍細胞で発現減少しているmiR-4516は、SRRM4 ASOが抗腫瘍効果を示すとともに発現上昇したことから、miR-4516は分子標的治療薬(SRRM4 ASO及びREST SSO)のコンパニオン診断薬として有効であると考えられた。この研究推進は、難治性神経内分泌がん治療核酸医薬とmiR-4516を用いた個別化医療を実現すると考えられた。
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