2022 Fiscal Year Research-status Report
Validation and drug development for anti-cancer therapy targeting hemolysis-hemopexin related axis
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22K07253
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
逢坂 大樹 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70839141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 登莉 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (40815693)
細野 祥之 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (60820363)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 血漿タンパクとがんの関係 / 溶血 / ヘモペキシン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の問い・目標は以下の3つに分けられる。①溶血はがんを増悪させるのか?、②血漿タンパクの一つであるヘモペキシンは抗腫瘍活性を持つのか?、③問①②の結果から、そのターゲット分子は何か?(メカニズム) (研究成果・実施状況) ①溶血産物(ヘモグロビン、ヘム)によるがん細胞株の増殖試験(促進 or 抑制)を行った。細胞株は肺がん、膵がん、大腸がん、子宮頸がん、白血病等(h1975, h1299, HCC1171, Miapaca, HCT116, Hela, THP-1など)の複数種で検証した(Incucyteによる増殖曲線、またはGel assayによるcolony formation試験による)。その結果、ほぼ全てのがん細胞株で、溶血産物の濃度依存性に増殖が抑制された(ヘム、ヘモグロビンとも)。reference論文(Cell Reports 2020 Sep 22;32(12):108181.)では、ヘム添加によるがん増殖が示されているものの、細胞株が違うこと(前立腺がん)、in vivo(マウス体内でのがん増殖)を中心にした評価系であることから、引き続きシグナル系の評価(ウエスタン、RNA-sequence等)を合わせて検証していく。 ②ヘモペキシンの抗腫瘍活性を検証するため、上記①と同様に様々ながん細胞株で細胞増殖を観察した。なお、ヘモペキシン(血漿タンパクから精製)は日本血液機構(Japan Blood: JB)とNTA契約を締結し提供して頂いた。ヘモペキシン濃度依存性(1~25μM)に増殖抑制が見られた株、ほぼ影響を受けない株と、株ごとに結果が異なった。つまり、ある種の特異的なシグナル抑制(ターゲット受容体)の存在が示唆される。一方、ヘモペキシンのロット間の活性が異なる等の問題もあり、引き続き効果を検証中。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①がんと溶血の関連については、reference論文(Cell Reports,上記)と反対の結果が見られた。つまり、溶血産物(ヘム、ヘモグロビン)はがん細胞株の増殖を有意に抑制した。実験手法の差異があるため引き続き検証を進めるが、溶血毒性によるがんの増殖抑制が前面に出た結果となり、当初の仮設とは反対であるものの面白い結果とも言える。 ②ヘモペキシンの抗腫瘍活性については、多くの細胞株でpositiveな結果(細胞増殖抑制)が得られた(ダイレクトな抗腫瘍活性の報告はない)。一方で、ヘモペキシンは血漿タンパク由来(JBによる精製)であることから、ロット間の活性がばらつく等の問題も明らかとなった。現在、抗腫瘍活性のメカニズム(ターゲット分子)検証を進めている(ウエスタン、RNA-sequenceなど)。
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Strategy for Future Research Activity |
①溶血産物のがんに与える影響に関しては、現時点では既報と逆の結果が見られている。どちらの方向性(抗腫瘍効果、腫瘍増悪効果)にして、既報の少ない現象のため、ターゲット分子の同定も含めて検証を進める。 ②ヘモペキシンの抗腫瘍活性についてはpositiveな結果をより多面的に証明すると同時に、ターゲット分子の同定にフォーカスしていく。 ①②の両方で、ゼブラフィッシュを用いたin vivo実験を進めていく。
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Causes of Carryover |
物品費等の購入について予定より節約できたため、次年度使用額が生じた。 使用計画としては、次年度実施予定のin vitroの実験等に必要な費用に充当する。
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Research Products
(2 results)